日立システムズ、「CYDEEN 水インフラ監視サービス」に自動排水機能を追加
日立システムズは10月3日、水道事業での作業員の負担軽減と残留塩素濃度が一定に保たれた安全な水の供給に向け、「CYDEEN 水インフラ監視サービス」に自動排水機能を追加したと発表した。 水道事業者は、供給する水の蛇口での残留塩素濃度を、水道法で定められた0.1mg/L以上かつ、国の目標値である1mg/L以下に抑えるよう、作業員が定期的に水道管の末端など残留塩素の低下が見込まれる場所を巡回。水道管内の残留塩素濃度を確認、バルブを手動で緩めて水を排水することで基準値内に保っている。場所や季節によっては、常時排水を行っているところもある。 水道事業者では、この排水作業を職員が自ら手作業で行っており、職員が1日に何度も現地を訪れ、残留塩素濃度を測定・排水しているケースもある。この作業は負担が大きく、人手不足の観点からも自動化が求められている。また、1日に作業員が対応できる排水回数には限りがあるため、1度に大量の水を排水しておく必要があり、無駄な水の廃棄が発生している。 こうした状況のなかで今回、水道管内の残留塩素濃度を遠隔で監視するCYDEEN 水インフラ監視サービスに、残留塩素濃度に応じて自動で排水する機能を追加した。新機能では、マンホールに設置した水質監視装置が残留塩素濃度の低下を検知した際に、水道管の末端などに設置した自動排水装置が自動で排水を開始し、水質が改善したら自動で排水を停止する。排水の方法として、顧客のニーズに合わせて「都度排水」「任意排水」「定時排水」の3種類の排水方法を選ぶことができる。 これによって水道事業者は、職員が事務所にいながら排水できるため、現地対応工数が削減でき、職員の負担が軽減する。また、残留塩素濃度を適切に保つため、安全な水を安定的に供給できる。さらに、排水量を適量に設定できるため、水を必要以上にムダにすることなく、有収率を向上でき、持続可能な上水道を実現できる。 今後は、残留塩素濃度の計測データのAI分析による排水量削減の精度向上など、データ利活用によるデジタル化を推進し、水道事業体の人手不足の問題解決や業務効率化に貢献していく。