日鉄のＵＳスチール買収をバイデン氏が阻止へ、両社とも法廷闘争辞さない構え…「あらゆる手段講じる」
【ワシントン＝田中宏幸】米ブルームバーグ通信は１０日、バイデン米大統領が今月末にも日本製鉄による米鉄鋼大手ＵＳスチールの買収を阻止すると報じた。買収が認められない場合、両社は法廷闘争も辞さない構えだとしている。
買収計画は現在、対米外国投資委員会（ＣＦＩＵＳ）による安全保障上の審査を受けており、審査期限が２３日に迫っている。
報道によると、バイデン氏は２２～２３日までにＣＦＩＵＳから決定について報告を受けた上で、国家安全保障上の懸念を理由に買収を阻止する予定だ。「（ＣＦＩＵＳが）大統領に報告するということは、委員会の中の少なくとも１人が取引にリスクがあると考えていることを示唆している」としている。
買収計画を巡っては、トランプ次期大統領も今月２日、全面的に反対する考えを改めて表明している。
日鉄は１１日、買収完了を条件に、ＵＳスチールの米国の従業員に１人あたり５０００ドル（約７５万円）の臨時ボーナスを支給すると発表した。また、報道を受けて「政治が真の国家安全保障上の利益に勝る状態が続くことは適切ではない。公正な結論を得るため、あらゆる手段を講じていく」とのコメントを出した。
