【新人記者突撃】「ツンデレ」の追い込み馬&「走る馬の顔」を持つ堅実派 吉村厩舎がダブル重賞制覇へ
二面性を持つエイシンスポッター
今週の吉村厩舎はGⅢ北九州記念=エイシンスポッター(牡5)、GⅢラジオNIKKEI賞=オフトレイル(牡3)で同日ダブル重賞制覇を狙います! まずは前走・安土城Sを鮮やかに差し切って北九州記念に参戦するエイシンスポッターについて。担当の大良助手によると「真面目だけどやんちゃ」なキャラクターだそうで、二面性を表すエピソードを教えてくださいました。 「本当に乗りやすい。こちらが行けと言ったら行く。やめたらやめる。自分から行くぞというよりは冷静な姿勢」と「引き馬をしている時、雷が鳴ったりすると、抱きつくように寄ってくる。何かあれば人に頼る」面を持ち合わせているそうです。 よほど信頼関係が築かれているのでしょう。大良助手が来るとすり寄って甘えてくるのだそう。「でもなでられるのは嫌がる。ツンデレだね」と頬を緩ませていました。これまでのキャリア20戦中、半数の10戦でメンバー最速の上がりをマーク。当地・小倉も2戦2勝とあらば、開幕週での大逆転劇も現実味を帯びてきそうです。
オフトレイルは「走る馬の顔」
続いて取材に応じてくれたのは、ラジオNIKKEI賞に挑むオフトレイルを担当する江藤助手。普段の様子は「おとなしく賢い。かんだり立とうとせず、温厚」とのことですが、休み明けは元気よくはしゃぐ、3歳馬らしい一面もあるのだそうです。そして話題はオフトレイルの顔面に…。入厩している他の馬たちの顔と実際に比較して解説してくれました。 「表情もまだ幼いところがある。古馬の顔はゴツゴツしているけど、オフトレイルは凹凸がなくて、目もぽやっとしている。でも男前で、走る馬の顔をしている」 日本では珍しいファーの産駒。顔面と戦績に関連性があるかは何ともいえませんが、オフトレイル自身、これまでの全6戦で馬券圏内を外したのは1度だけしかありません。〝走る馬の顔〟とはいえ、まだまだ育ち盛りの3歳馬。「順調に膨らんできて、ハミ受けもだいぶ良くなった。冬から春にかけて言うことを聞くようになって、競馬につながっている」(同助手)と充実の背景も伝えてくれました。 同じ厩舎にいても、サラブレッドにはそれぞれ個性がある――。予想の対象としてだけではなく、普段の様子も知っているとレース自体も違った景色に見えます。取材した2頭とも気配は上向き。週末の実戦が待ち遠しくなりました。
佐藤 美生