港町に初夏の熱気 岩瀬曳山車祭 復興願い11基練る
岩瀬諏訪神社(富山市岩瀬白山町)の春季例大祭「岩瀬曳山車祭(ひきやままつり)」は17日、岩瀬地区で始まった。能登半島地震からの復興祈願をテーマに掲げ、各町内の山車11基が富山や石川の被災者に寄り添う気持ちを乗せて初夏の港町を練った。夜は神社前で山車をぶつけ合う「曳き合い」が行われ、熱気が最高潮に達した。 朝から山車が地区内を練る「曳き回し」が行われ、若衆らが木遣(きや)り歌に合わせて「ヤサー、ヤサー」と威勢のいい掛け声を響かせた。祭りの呼び物「曳き合い」は荒木新川(にいかわ)町と大町を皮切りに始まった。山車が勢いよくぶつかり、大きな衝突音が響くと、観客から拍手や歓声が沸き起こった。 山車には各町内が趣向を凝らした飾り「たてもん」が載っており、世相を反映した文言や縁起の良い言葉を判じ絵で表現している。今年は全11基のうち6基が震災復興の願いを込めた。オリンピックや新紙幣をテーマにした山車もあった。 出来栄えを競うたてもんコンクールは、梅鉢紋や後光、大福帳などで「被災地の復興を待望する」とのメッセージを伝えた浜町が最優秀賞に選ばれた。 最終日の18日は午後9時ごろから岩瀬小近くの忠霊塔前で曳き合いが行われる。