税務調査官「もうわかりました、これで結構です」…時価1億円の土地を相続→9,000万円と申告した59歳サラリーマンが〈追徴課税〉を逃れた驚きの理由【税理士の助言】
時価1億円の土地を相続した年収800万円のサラリーマンAさんは、税理士の助言で土地の評価額を1,000万円少なく申告したところ、税務調査の対象となってしまいます。しかし、税務調査官たちは“あること”を理由に追徴税を課すことなく帰っていったのでした……。いったいなにがあったのか、詳しくみていきましょう。多賀谷会計事務所の宮路幸人税理士が、事例を交えて「相続税評価額を減らす方法」を解説します。 【マンガ】貯金2,000万円の45歳・元サラリーマン…“築40年・家賃3万2,000円のボロアパート”で始めた「理想の暮らし」
まじめで責任感の強い父親に起きた“異変”
サラリ-マンのAさん(59歳)は、埼玉に戸建ての持ち家を所有しており、妻Bさん(56歳)と娘のCさん(23歳)の3人で暮らしていました。 2年前に母親を亡くした際、Aさんは家族と話し合って了承をもらい、ひとり暮らしとなった父親に同居を提案。しかし、まじめで責任感の強い父親からは「お前たちに迷惑はかけたくないし、自分のことは自分でやりたいんだ。俺のことは気にしないでいいから」と断られたため、不安を抱えながらもそれ以上は強く言えずにいました。 そんな父親でしたが、定期連絡の際、少しずつ異変が……。最初はビデオ通話の画面をオフにするようになり、次第に電話もあまりでなくなるなど、Aさんたちとの接触を避けるようになっていったのです。そんな父親の対応に不安が募ったAさんは、コロナも相まってしばらく会いに行けていなかったこともあり、黙って父親のもとを訪ねる決意を固めました。 荒れ放題の庭を横目にどんどん不安が大きくなるなか、実家の玄関を開けたAさんは、その光景に唖然とします。実家が“ゴミ屋敷”に変わり果てていたのでした。 Aさん「ちょっと、なんだこれ……おい父さん、父さん!」 父「ん? おお~久しぶり。あれっ、母さんは? 一緒じゃないのか?」 「お前たちに迷惑はかけたくない」と同居を断った格好いい父親の面影はどこにもなく、異臭を放つゴミ屋敷にたたずむ父親の姿を目にしたAさんは、そのときのことを「悪い夢でもみているかのようだった」と振り返ります。さらに、母親が死んだことを忘れているなど、認知症も発症しているようでした。 Aさんはあまりの惨状にパニックになりかけましたが、なんとか気持ちを奮い立たせ、急いで妻へ連絡。実家の近くに宿を取り、翌日には父親を病院へ。診察の結果、やはり認知症でした。 「認知症の父さんをあのゴミ屋敷にかえすわけにはいかない!」と、必死で介護施設を探したAさん。しかし、施設へ入居してから約半年後、残念ながら父親は帰らぬ人となったのでした。
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