「指示通り動くだけで40万円」SNSで闇バイト募集…10代の逮捕者相次ぐ 熊本県警
SNSで闇バイトを募集したとして、住所不定・無職の19歳の男が熊本県警に逮捕されました。男はSNSに「短期間で高収入やりたい人いたら連絡ください」などと投稿し、詐欺の「受け子」や「出し子」を募集した疑いが持たれています。 この事件では、これまでに、熊本市に住む10代の姉弟と、指定暴力団道仁会系組幹部の男を逮捕。福岡県久留米市にある道仁会本部の事務所を家宅捜索しました。 その後の捜査で、今回逮捕した男の関与が浮上したということです。捜査に支障があるとして認否を明らかにしていません。 勧誘グループで、暴力団幹部の男がリーダー的な役割を果たしていたとみられ、この幹部の男から19歳の男が指示を受け、姉弟に闇バイト募集を依頼していたとみて、詳しく調べています。 また、暴力団幹部の男は27日、別の詐欺未遂事件に関わった疑いで、再逮捕されています。 さらに熊本県警は同日、闇バイトを募集した疑いで、熊本市に住む16歳の少年を逮捕しました。知人に対し、SNSで「県外に出て上の指示通りに動くだけで40万円もらえるよ」と送信するなどして「受け子」として働くことを勧誘した疑いです。 勧誘を受けた高校生は、秘匿性の高いアプリに誘導され、何者かに個人情報などを聞かれたため、警察に相談し、事件が発覚したということです。 警察は捜査に支障があるとして、少年の認否を明らかにしておらず、特殊詐欺グループによる組織的な犯行とみて調べています。
闇バイトの勧誘…若年層を守るには
スケジュール管理アプリを提供する企業が、全国の大学生を対象に2023年に実施した闇バイトに関する実態調査によると、「簡単に稼げる」「高収入」といった闇バイトの怪しい求人を見たり、勧誘された経験があると回答したのは全体の4割以上。闇バイトや怪しいバイトの経験がある、もしくは知人に経験者がいると回答したのは、全体の約7%でした。 こうした中、熊本県警は、闇バイトの危険から若者を守ろうと、緊急の対策に乗り出します。
年内を目標に、熊本県内すべての高校で現役の警察官や県警OBが全校集会の時間などを利用し、闇バイト募集の手口や危険性を説明するということです。 熊本県警本部生活安全企画課の辻直樹次席は「少年は判断力が未熟で、深く考えずに闇バイトに応募してしまうことがあり得る。高校と協力して、対策に取り組んでいきたい」としています。