ベンチャーが「カイワリ×マアジ」ハイブリッド魚の養殖開始 南房総の富浦漁港(千葉県)
沖合300メートルほどにあるいけすには現在、3000~4000匹を養殖しており、このうち2000~3000匹を来年春から夏にかけて出荷することを目標とし、東京・豊洲市場の他、安房地域内の宿泊施設や漁協が経営する飲食店、小売店などへの販売を計画している。 今後、名前を付けた上で、陸上施設での研究開発や種苗生産、養殖場ツアーでの食育や担い手育成などの事業を展開する考え。安房のブランド養殖魚として、ふるさと納税の返礼品などとして生かすことも視野にある。 細谷さんは「4000種以上の魚が生息する日本は世界でもまれで、100種ほどを養殖してきたノウハウなどの強みが多くある。一方で、品種改良が進んでおらず、独自の魚がないことやお客さま目線でのマーケティング不足が課題と捉えている。種をつくる会社である私たちが生産者に魅力を伝え、抜群にうまい魚を届けられたら」と展望を語る。 鈴木直一組合長は「この養殖事業が雇用拡大や所得向上、観光、飲食業への手助けとなり、連携しながら地域の活性化につながれば。ふるさと納税の特色ある返礼品としても期待している」などと話した。 (安井咲子)