羽生結弦似の20歳イケメンボクサー丸田陽七太が初の東洋王座戦で判定負け
OPBF東洋太平洋Sバンタム級12回戦が13日、後楽園ホールで行われ、フィギュアの羽生結弦似の5戦無敗の同級1位、丸田陽七太(20、森岡)が、王者の大竹秀典(36、金子)に挑戦したが、左拳を痛めるアクシデントなどもあり、0-3の判定で完敗した。大阪の関大北陽高出身で、同校の先輩、阪神の岡田彰布・元監督も応援にかけつけていたが、キャリアの差から徹底した接近戦にもちこまれて長所を封じ込まれ悔しい敗戦となった。それでも高い潜在能力に疑いの余地はなく今後につながる経験となった。 敗者の控え室。丸田の左拳が大きく腫れあがっていた。中指の拳あたりがポコっと瘤状に。2回の途中で、「堅いところを打って」アクシデントが起きていたという。 「左で突き放して、距離をとって右で仕留める。考えていたボクシングができなくなった」 大竹のジリジリと前に出てくるプレッシャーを受けて下がる。最悪の展開を余儀なくされた。自慢のスピードとリーチの長さを生かせない接近戦にもちこまれて、コツコツとショートパンチを浴び続けた。 東洋タイトルでは、4回、8回終了後に、途中採点が公表されるが、4回が終わった時点では、一人が「39-37」で大竹、2人が「38-38」でドロー。だが、5、6、7、8回の中盤戦は大竹に完全に支配されていた。 「わかっていたこと。想定外ではなかったけれど、(拳を痛めて)対応できなかった。左が使えないので打ち終わりに右で一発を狙っていた」と言うが、何度もコーナーに追い詰められた。ガードを固めたまま、まるで、亀のように防戦一方となる時間が余りに長すぎた。決定的なダメージブローはなくても、見栄えは悪く、ジャッジは攻勢点を評価する。本来なら、こういう位置取りや時間帯は作るべきでないが、「もっと横に動かなくてはいけないのだけどできなかった」と、振り返った。 パンチのスピードと威力では圧倒していたのだから、インファイトにボディ攻撃で応じて形勢逆転を狙う手段もあっただろうが、それも得意の左のボディアッパーが拳を痛めたことで機能しなかったという。 接近戦で丸田の長所はすべて殺された。左がダメなら遠くから右で仕掛けてもよかったが、まだプロ5戦のホープに、そこまでの引き出しを求めるのには無理があった。 8回終了時の採点は、3者共に「78-74」で大竹を支持。 もうダウンを奪うか、一発逆転のKOにしか勝利の道は残っていなかった。青コーナー。1分のインターバルの間でも、当然、その話になった。 「もういかないとダメ。倒すんだ」 11、12回と、怒涛の猛ラッシュ。関西から来た大応援団を総立ちになった。「12回をやったのは初めて。最後は楽しかった」と言うが、ときすでに遅しーーである。 「左を痛めたのも自分のせい。負けたら何も言えない。言い訳をしていると思われるかもしれないけれど、キャリアの差や、年齢の差は感じなかった。もう一回やれば、勝てると思う」 丸田は、そう語ると羽生似の綺麗な顔の目に悔し涙をあふれさせた。