HashiCorp、「Vagrant Cloud」をHCP移行--新名称は「HCP Vagrant Registry」
HashiCorpは米国時間5月23日、「Vagrant Cloud」を「HashiCorp Cloud Platform(HCP)に移行し、「HCP Vagrant Registry」と改名すると発表した。 HCPは、HashiCorpの製品をサービスとして提供するフルマネージドプラットフォーム。Vagrant CloudのHCP移行に当たり、Vagrant Cloudの既存ユーザーは、VagrantボックスをHCPに移行できる。 今回のHCP移行では、Vagrant自体の変更はないが、ボックス検索の改善、Vagrant Cloudユーザーインターフェース(UI)の刷新、プライベートボックスの無料利用といった改善が加えられている。 ボックス検索の改善では、プロバイダーだけでなくアーキテクチャーも含み、スキャンがさらに容易になった。これにより、プロジェクトの構築に最適な環境をより探しやすくなった。検索アルゴリズムも新しくなり、レジストリー名とボックス名の評価・ソートが改善されている。 Vagrant RegistryのUIが刷新されたことで、ナビゲーションとアーティファクト管理が改善され、HCPリソース管理との一貫性が保たれるようになった。HCPへの移行では、新しいリソース管理の概念が導入される。 HCPの組織は、親レベルのエンティティーで、最大10プロジェクトを持つことができる。1つのHCPアカウントは、招待されたユーザーとして複数の組織のメンバーになることができるが、1つの組織だけ作成・所有できる。 HCPプロジェクトでは、組織の所有者が、HCP Vagrant Registriesや「HashiCorp Virtual Networks」(HVN)といったチームや環境などによってリソースをセグメント化できる。各組織は、作成時にデフォルトのプロジェクトが割り当てられ、最大10プロジェクトを持つことができる。 HashiCorpは、HCP Vagrant Registryのパブリック、プライベート全てのボックスを無料でホスティングする。HCP Vagrant Registryでは、プライベートとパブリックのボックスを無制限に持つことができるという。 HCP Vagrant Registryに移行する場合、既存のVagrant Cloudアカウントと同じメールアドレスでHCPアカウントを登録することで、ボックスを請求できるようになる。移行したユーザーは、Vagrant CloudとHCP Vagrant Registryの間のクライアントのアップグレードとリダイレクトにより、移行後も既存のURLやクライアントのワークフローは全て通常通り利用できる。 移行しない場合、ボックスは8月に自動的に移行され、その後、Vagrant Cloudアプリは終了するという。