池畑慎之介「72歳ひとり暮らし。終活にとらわれず、新たに2ヵ所の家を手に入れて。《やりたいこと》リストが常にいっぱいだから、寂しさを感じる暇はない」
◆リバースモーゲージで最後はゼロに 熱海と糸島の住まいはいわば趣味の家ですから、いつでも手放せる気軽さがあります。一方、私が気にかけているのは、終の住処となるであろう佐島の家です。 伴侶も子どももいない私が死んだら、この家はどうなってしまうのだろう?それを考えると、死んでも死にきれない。大阪に姉がいますが、すでに70代半ば。姉の息子ともあまりつきあいがないので、この家を譲る気はありません。友人に処理を頼むのも迷惑な話でしょう。 そこで、いずれはリバースモーゲージというシステムを利用しようかと考えています。 自宅を担保にお金を借りて、死後に銀行に家を買ってもらって返済する。このシステムなら、誰かに迷惑をかける心配もなく、安心して死ぬまで今の家に住み続けられます。 借りたお金は自分の好きなことに使って、最後はゼロにしてしまえば、相続で揉めることもなく、おひとり様には好都合。 大好きな家だからこそ、生きているうちに行く末を決めておきたい。安心して成仏するためにも(笑)、それが目下、私に残されている課題です。 (構成=内山靖子、撮影=鍋島徳恭)
池畑慎之介
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