ディーラーが勧める車の防犯グッズは「秒」で無効化される…本当に効果がある「愛車盗難防止アイテム」
愛車を盗難から守るにはどうすればいいか。自動車生活ジャーナリストの加藤久美子さんは「2万~3万円の安価なハンドルロックやタイヤロックでは盗難防止に役立たない。ディーラーが『このモデルは最新の自動車盗に対応している』と言ったとしても、社外セキュリティを付けることをお勧めする」という――。 【図表】車名別盗難台数ランキング(2022~23年) ■ランクル盗難が前年2倍ペースで急増 日本における自動車の盗難認知件数は2003年の6万4223件をピークに毎年減り続けており、近年は約10分の1以下にまで減少した。しかし、コロナ禍によって外国との人と荷物の行き来が不自由になった2020~2021年を底に2022年、2023年とじわじわと増加傾向にある。 警察庁が出した2024年1~9月までの統計では4461件で、前年同期が4319件であるのに対して142件増えている。とくに増えているのはトヨタ・アルファード、同ランドクルーザー、レクサスのSUVなどいわゆる国産高級車といわれる車種である。 図表1は2024年上半期の車名別盗難台数である。注目すべきはランドクルーザーの台数で、上半期ですでに前年の約2倍に増えている。 そして、ランドクルーザーの中でも多いのがランドクルーザープラド、そしてランドクルーザー300というランクルシリーズのフラッグシップモデルである。 ■被害減はレクサスLX、日産スカイライン 逆にランドクルーザー300をベースにしたレクサスLXは、前年同期に比べると152台から112台と40台も減少している。また2022年と2023年を比べても344台から261台と、こちらも同様のペースで減少している。 また、別の理由で大幅に減っている車種がある。それは、旧車スポーツカーの代表的存在、日産スカイラインだ。 2022年は116台、2023年は71台、そしてついに2024年上半期では「圏外」となった。スカイラインだけではなく、1980~90年代の国産スポーツカー(スープラ、シビック、インテグラ等)の盗難報告もぐっと減少している。その理由は、主にアメリカの輸入ルールが変わったことに関わっているとみられる。