G大阪は「考えられないほど上向いた」 代表OBが称賛するチーム復活のキーマンとなった選手は?【前園真聖コラム】
G大阪は「考えられないほど上向いたと言える」
今年の天皇杯決勝に話を戻すと、神戸は去年から安定した戦いぶりを見せていて、この決勝進出もその実力どおりかと思います。今はリーグ優勝も狙える立場の2位、AFCチャンピオンズリーグエリートでも3試合を終えて2勝1分の勝点7で2位、さらにこの天皇杯も決勝進出と安定した戦いを見せていて、チームがノッていることが分かります。 一方のG大阪は2023年シーズンのことを考えると今の状態は考えられないほど上向いたと言えるでしょう。去年は9勝7分18敗で16位と、もしも今シーズンから20チームに増えていなければ入れ替え戦に出なければいけないような出来でした。 ですが、今シーズン前に獲得した選手が的確でした。僕は一森純、中谷進之介らを獲得してまず守備の安定を図ったこと、それから宇佐美貴史が復調して、チームの中心として攻守にわたって貢献したことが大きいと思います。また岡山から復帰した坂本一彩の好調ぶりは準決勝の決勝ゴール以外でも目に付きます。 G大阪の前に徳島を率いていたダニエル・ポヤトス監督は、日本人の行動様式を理解した上でG大阪に来た気がします。だから1年目にしっかりチームを見極めて、必要な選手を集め、その上で今年は適格な采配を振うことができたのだろうという点も見逃すことができません。 今年の決勝は11月23日と4年連続元日以外の開催になりました。その点はちょっと寂しい気もしますが、両チームにはそんなことを感じさせない熱戦を期待したいと思います。 [プロフィール] 前園真聖(まえぞの・まさきよ)/1973年生まれ、鹿児島県出身。92年に鹿児島実業高校からJリーグ・横浜フリューゲルスに入団。96年のアトランタ五輪では、ブラジルを破る「マイアミの奇跡」などをチームのキャプテンとして演出した。その後、ヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)、湘南ベルマーレの国内クラブに加え、ブラジルのサントスFCとゴイアスEC、韓国の安養LGチータースと仁川ユナイテッドの海外クラブでもプレーし、2005年5月19日に現役引退を表明。セカンドキャリアでは解説者としてメディアなどで活動しながら、「ZONOサッカースクール」を主催し、普及活動を行う。09年にはラモス瑠偉監督率いるビーチサッカー日本代表に招集されて現役復帰。同年11月に開催されたUAEドバイでのワールドカップ(W杯)において、チームのベスト8に貢献した。
前園真聖 / Maezono Masakiyo