G大阪は「考えられないほど上向いた」 代表OBが称賛するチーム復活のキーマンとなった選手は?【前園真聖コラム】
天皇杯の決勝がG大阪対神戸の関西対決に決定
第104回天皇杯決勝のカードがガンバ大阪vsヴィッセル神戸に決まった。準決勝のG大阪vs横浜F・マリノスは同点で迎えた後半43分、松原健のゴールで横浜FMが勝利を収めたかに思えたがアディショナルタイムに中谷進之介が決めて2-2に。さらに延長後半アディショナルタイムに坂本一彩が決勝点を決めるという劇的な展開だった。また神戸vs京都も京都が一度は同点に追いついたが後半10分に佐々木大樹がこぼれ球に詰めて決勝点を奪っている。この熱い試合を勝ち上がった2チームに対する期待を、元日本代表の前園真聖氏は自身の経験を振り返りながら語った。(取材・構成=森雅史) 【実際の映像】「流石に泣いた」 G大阪が延長後半ATで…21歳FWのキレキレ突破→ゴール&披露した謎パフォーマンス ◇ ◇ ◇ 10月27日の天皇杯準決勝で、G大阪と神戸が決勝進出を決めました。両チームのみなさま、おめでとうございます。天皇杯は僕も思い出深い大会です。僕は結局リーグ戦でのタイトルを獲れませんでしたが、この天皇杯を獲ることができました。Jリーグがスタートした1993年度の第73回大会で、所属していた横浜フリューゲルスは優勝することができたのです。 1994年1月1日の決勝戦の相手はJリーグで最初のステージ優勝を果たした鹿島アントラーズでした。6分、黒崎久志(当時は比差支)さんにこぼれ球を蹴り込まれて先制されてしまうのですが、前半終了間際にエドゥーのPKで同点に追い付きました。 そして61分、センターサークルにいた僕にパスが来ました。競り合いながらボールをコントロールすると、目の前には相手選手が1人しかいません。そこでボディフェイントでかわして前に出ると、すぐペナルティエリアです。でもそこで遅れてきたDFに足を引っかけられて2本目のPKになり、足をかけてきた選手が退場になりました。 このPKを再びエドゥーが決めてリードしたのですが、後半アディショナルタイム、奥野僚右さんにミドルシュートを決められて同点とされます。前年度の出来事に引っかけて「ドーハの悲劇」を思い出すような同点劇とも言われていたようです。ただ、延長戦に入ったら10人の鹿島の足が止まりました。延長後半7分に渡辺一平さんがCKをヘディングで叩き込むと、もう鹿島に反撃の力は残っておらず、その後もゴールを重ねて結局6-2で優勝することができたのです。 1992年にクラブに入って1年目は出番がなく、2年目に出始めてすぐのタイトルだったのでものすごくうれしかったのを覚えていますね。ただ、誰に何を言われたか、なんていうのはすっかり忘れてしまっているんですよ。うれしいという感情が強烈すぎたのだと思います。