ココイチ「1000円超え」は高くないの? 値上げしても“客が離れない”納得の理由
日本で最も有名なカレー専門チェーン、「カレーハウスCoCo壱番屋(以降ココイチ)」。最近の人気メニューの価格を見ていくと、冬恒例のスープカレー「骨付きチキンスープカレー(ライス付)」が1170円、定番がっつり系の「ロースカツカレープラスチーズ」が1170円。1000円超の価格が並び、手軽に食べられるファストフードとは言いがたい状況になっているものの、ココイチを運営する(株)壱番屋の業績は決して悪くはありません。一体どうしてなのでしょうか? そこで今回はココイチが好調を維持し続ける理由について、日本の外食事情をふまえつつ、カレーを実食しながら考えてみました。 ⇒【写真】クリームコロッケが乗ったカレーうどん
「ココイチだけが高い」と、批判されない世の中に
SNSの反応を見ていくと、ココイチの高価格を強く批判する声は、意外と少ないことに気がつきました。具体的には、「ココイチは机が広いし単価が高い高い関係でのんびり長居しやすい」、「ココイチの納豆トッピング、ちょっと高いけど量が多くて満足だしカレーとの相性も抜群なので激しくおすすめ」、「ココイチはクソ高い割にマズいとか言われているが、別にそんな感じはしなかった、一食1000円程度なら良いのでは?」といった感じ。 要するに、ここ数年の原材料の高騰によりファストフード業界でも値上げラッシュが起こったことで、ココイチの値上げや価格に批判が集中することはなくなったのです。そして壱番屋はその状況を見逃さずに、着実な値上げ戦略と顧客拡大戦略を実施、今年1月に計画未達の見通し(2024年売上計画値570億円、見通し551億円。2023年2月実績482億円)を発表したものの、2030年までの中長期的なビジョンを明確に掲げており、成長戦略を実行しています。その中身を見ていくと、国内においては決して無理のない堅実な基盤づくりを目指していることがわかります。 さあここからは、ココイチが勝てる理由を来店レポートとともにご紹介していきたいと思います。