【Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ:レビュー】タデイ・ポガチャル驚異の強さ! ステージ4勝と64年ぶりの大記録に「今が一番バイクとの時間を楽しめているかもしれない!」
2024年最大の目標に据える“ダブル・ツール”を完全に視界にとらえた。シーズン序盤の脚試しにしては次元が違いすぎる。タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)の戦いぶりは、他の選手たちからしても「放っておくしかない」ほどに際立つ強さだった。 【ハイライト】ボルタ・ア・カタルーニャ 第7ステージ|Cycle*2024 全7ステージで争われたボルタ・ア・カタルーニャは、ポガチャルが初出場にして初制覇。ステージ4勝を挙げたばかりか、個人総合2位とのタイム差3分41秒は、1960年大会での3分51秒差に次ぐ64年ぶりの快記録となった。
「価値のある1週間だった。シーズン序盤から良い走りができて大満足だよ。もちろんかなりの自信になる。ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスに向けて順調であることは確かだ」(タデイ・ポガチャル)
第1ステージから、強い意志を示していた。最後の1.1kmを逃げたニック・シュルツ(イスラエル・プレミアテック)が勝ったそのすぐ後ろで猛然と追い込み、ステージ2位。どんなコースレイアウトでも勝つことに貪欲な姿勢を見せる。
そうして迎えた第2ステージで、観る者を驚かせることになる。「ちょっとした遊びだった」と振り返った、スタートから24km地点でのドメン・ノヴァクとのアタックは活劇ののろし。いったん集団に戻って、いざ超級山岳ヴァルテル2000へと踏み込むと、頂上まで6.5kmを残したところで“よーいドン”。2000mに達する標高と冷雨が選手たちのスタミナを削ぐ中、今大会の主人公は笑顔で上り切ってみせた。
「寒さは気にならなかったし、標高が上がっても苦しむことはなかったよ。調子が良かったので、フィニッシュまで踏み続けるだけだった」(ポガチャル)
他のチームだって、ポガチャルの、UAEの走りをただ見送って済まそうなんて思っていなかった。超級山岳ポルト・アイネに上った第3ステージでは、スーダル・クイックステップが上りのペーシングで人数を絞り込み、エースのミケル・ランダのアタックをお膳立てした。
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