【Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ:レビュー】タデイ・ポガチャル驚異の強さ! ステージ4勝と64年ぶりの大記録に「今が一番バイクとの時間を楽しめているかもしれない!」
今大会前から、調子の良さは実感していた。ストラーデ・ビアンケで驚異の81km独走を決め、ミラノ~サンレモでは3位ながらも好レースを演出。山岳での走りを試す意味合いもあったカタルーニャで、その自信は確信へと変わった。そして何より、クライマー向けのステージレースで、自身と異なる脚質の選手たちとの混走を避けられたこともリスクをかわすうえでは好条件だった。 「1週間を通して上りが多く、僕にピッタリのルートばかりだった。もちろん僕だけじゃないよ。チームみんなが順調だと分かったことがとてもうれしいね」(ポガチャル)
先のティレーノ~アドリアティコでは、最大のライバルであるヨナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク)が圧勝。そしてカタルーニャではポガチャルが……。ここ数年、あれだけのバトルを繰り広げてきた2人である。互いの走りを意識しないわけがないだろう。場外戦は始まっている。
それに、ポガチャルには今日のプロトンではだれも成し遂げたことのない、壮大なミッションが控えている。そう、ジロとツールの2冠“ダブル・ツール”である。前述の通り、本人も手ごたえは十分だ。この大会を終えた脚で、スペイン南東部・シエラネバダ山脈での高地トレーニングに入る。期間は3週間で、そこからリエージュ~バストーニュ~リエージュ、そしてジロへと向かう。オフシーズンは高地キャンプを行っておらず、それでいてこの走りなのだから、シエラネバダで鍛えた後はどんな進化を遂げているだろうか。
「今が一番バイクとの時間を楽しめているかもしれないね。今が一番強いかって? そうは思わないよ。まだまだ強くなれると思っているし、この後のシエラネバダでもしっかりトレーニングするよ。だから、リエージュで僕の走りがどうなるか楽しみにしていてほしい」(ポガチャル)
かたや、残り2枠の総合表彰台争いはランダが先着。最近あちこちで聞かれるようになった「人間の中ではトップ」をランダも口にしたのだった。第2ステージで2位になると、翌日はポガチャルのカウンターを誘発する形になったものの、自身のテンポは崩さず連続の2位。第6ステージも3位とまとめて、個人総合2位を確実なものにした。
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