プッシュスライスはヘッドで、カットスライスはシャフトで直すことを知ってる?【フィッターに聞いた】
スライスはスイングで直すものと思っている人も多いようだが、フィッティングで直ることも。果たして、その方法とは? 今季3勝・川崎春花はつかまるし球が上がる2020年ドライバーでドローを打っていた! ◇ ◇ ◇ 「スライスに悩んでいる」。そういうゴルファーは相変わらず多いようで、フィッティングに来る人の中にも、「ゴルフを始めてから一度もボールがつかまったことはない」と豪語(?)する人もいます。そしてそういう人からは、「何とか、フィッティングでスライスは直らないものか?」と聞かれます。 スライスにもいろいろな原因があるので、“絶対”というわけではありませんが、“試す価値あり”という方法はいくつかあるので、今回はその方法を紹介しましょう。 まず、同じスライスでも、プッシュスライスか、カットスライスかによって修正方法が変わってきます。 プッシュスライスの場合は、シャフトが合っている、合っていないという問題よりも、フェース角が合っていないケースが多く見られます。というのも、プッシュスライスは、クラブがインサイドから下りて来て、インパクトではフェースが開いた形になっていることがほとんどだからです。この場合は、フェース角を少しかぶせるだけでボールがつかまるようになることがあります。 ただ、クラブがインサイドから入り過ぎている場合、つかまり過ぎてチーピンになる危険性があるので要注意。その場合は、ロフトを多めにするなどの調整が必要になってきます。 一方、カットスライスの場合は、シャフトで修正するのがいいでしょう。カットスライスは基本的に、ダウンスイングでタメが作れず、インサイドにクラブを下ろせないのが原因になっている場合が多いので、シャフトでタメを作る必要があります。 具体的にはダブルキックや、手元が軟らかい手元調子系のシャフトにすると直ることがあります。なお、ダブルキックには手元調子系と先調子系とがありますが、どちらが合うかは、その人のスイングや症状によって変わってくるということを覚えておきましょう。 また、カットスライスで悩んでいる人の中には、何とかしてボールをつかまえようとして、フェースをかぶせて打っているケースも見られますが、そうすると低い弾道で左に曲がるボールになることも。大事なのは、安定したスライスを打つこと。そのためにも、シャフトでの調整がオススメなのです。 もちろん本来は、身体の動かし方を変えるべきなのでしょうが、練習時間が少ないゴルファーが、スイングを矯正するのは大変です。また、練習場では修正できても、コースに出ると元に戻ってしまうということもあります。そういう意味では、第一段階として、クラブを見直してみるというのは有効な手段だと思います。 ■吉田 智 よしだ・さとし/クラブメーカーを経て「プレミアム ゴルフスタジオ」(渋谷区)でフィッターを務める。アマチュアだけでなく多くのプロからも信頼されて、これまでに女子ツアー5勝、ステップ・アップ・ツアー1勝、シニアツアー1勝をサポートする。 ◇ ◇ ◇ 今秋は中空アイアンとぶっ飛び系アイアンが流行しそうだ。関連記事【新作の『中空&ぶっ飛びアイアン』19モデルの性能早見表を作ってみた! 同じ中空でも2つのタイプに分かれました!】を読めば、ピッタリモデルがわかる。