【ハイライト動画あり】衝突局面はトンガ。セットプレーはカナダ。長所が激突した5位決定戦「トンガ×カナダ」。パシフィックネーションズカップ2024
そして勝負はラスト20分間へ。
と、ここまで決定力に欠けるカナダだったが、後半27分にトライが生まれる。
活路を見出したのは、この日ほとんどなかったピック&ゴーだ。手薄になったラック脇を急襲したのはCTBタコダ・マクマリン。敵陣右エリアから歓喜の独走トライでHポール下にダイブ。5点差(17-22)に迫った。
しかし。
「私たちが目指していたのは、試合の最後の20分でペースを上げることでした。しかしイエローカードがそれを妨げました」(カナダ、ジョーンズHC)
苦労して5点差に迫ったカナダだが、ここでFLイーサン・フライヤーがハイタックルで痛恨のイエロー。
追い上げるゲームプランが崩れるシンビンが出てしまい、さらにトンガがここでPG成功(後半30分)。セーフティなリード8点(25-17)を奪われてしまった。
カナダは15人対15人でやっとの拮抗状態で、数的不利の14人での逆転は難しかった。
カナダは攻めきれずに押し込まれると、逆にトンガが後半40分にチーム4本目。勝負は最終盤のシンビン&PG加点で決した。
最終スコアは30-17。しかしセットプレーが安定するなどしていたカナダのジョーンズHCは「試合全体としてはポジティブな要素が多かった」と前向きだった。
一方で、初勝利となった2024年4月就任のテビタ・ツイファHCは「ボール支配率も高く多くのチャンスを作りましたが、リスタートのプレーなどの成功率が低く改善点は多い」と、勝って兜の緒を締めていた。
トンガにテストマッチ5連敗を喫したカナダは、最下位(6位)が決定。高いアタック精度で4トライを奪ったトンガは5位。パシフィックネーションズカップ2024で初勝利を勝ち取った。
多羅 正崇