東証社員にインサイダー取引疑惑 知られざる“開示業務室”とは【WBS】
金融庁でも...元職員が指摘する課題とは
一方でもう一つの“市場の番人”が金融庁です。金融庁・企業開示課に出向中の30代の裁判官の男性が業務で知り得た企業の未公開情報をもとに本人名義で株取引を複数回繰り返したインサイダー取引の疑いを持たれています。 法の番人が市場と法律の規定を自ら破ったとされる前代未聞のスキャンダル。舞台となった企業開示課は企業の買収情報などを事前に知ることができる部署です。 この部署に勤務していたこともある元金融庁・企業開示課の我妻佳祐さんは「金融庁の職員であれば何度も研修を受けて、インサイダー取引をしないよう教育を受けるが、今回は外から来た裁判官でもしかすると教育が甘かった」と指摘します。 さらに「金融庁だと金融機関の不祥事があったときは、組織的な関与がなかったか、そして再発防止策というのは厳しく求めていく立場だ。今回は金融庁自身、東証自身の不祥事が疑われているということで、民間の金融機関の模範になるような対応が求められる」と話しました。 ※ワールドビジネスサテライト