日米通算197勝右腕 田中将大をめぐって大争奪戦必至か 注目高まる「縁ある球団」「条件面」とは
楽天は11月24日、田中将大を来季の保留者名簿に記載しないことを発表した。12月から自由契約選手として公示され、全球団との交渉が可能となる。 【動画】復活が待たれる「神の子」の快投 田中将大の変幻自在投球をチェック 電撃退団となった。田中は23日に仙台で行われたファン感謝祭では元気な姿で、ファンと仲良く交流した姿を見せたばかりだった。 田中は24日の夕方に自身のYouTubeチャンネルを更新。動画の中で「楽天イーグルスとは来季の契約を結ばずに、新たなチームを探すことに決めました」と切り出すと「ファンのみなさん、イーグルスで日本一になることを目標に、日本一になりたい一心でプレーしてきました。この4年間でその目標がかなわず残念です」と語り、「どんな時も信じて温かいご声援をくださり、支えてもらいました。感謝しています。ありがとうございます」とファンに感謝の思いを伝えた。 今季の田中は昨年10月に右ひじのクリーニング手術を受けた影響もあり、実戦登板は9月28日のオリックス戦1試合のみ。5回4失点で敗戦投手となっていた。1試合に登板し、0勝1敗、防御率7.20。 減額制限を超える大幅なダウン提示には選手の同意が必要とされる中、田中自身が他球団移籍も視野に入れる自由契約を選択したとされる。 一方、日米通算197勝と確固たる実績を持つ右腕が市場に出るとなれば、複数球団による争奪戦必至の情勢となっている。 すでに投手難が課題とされるヤクルトで獲得調査報道も出る中、注目されるのは今季15勝をマークし、先発陣の柱だった菅野智之をメジャー挑戦で欠く巨人の出方もある。 今季は4季ぶりのリーグ優勝を果たすも悲願の日本一には手が届かなかった。FA戦線の投手ではソフトバンクから宣言した石川柊太の獲得にも乗り出すと見られる中、レジェンド右腕が市場に出れば、熱視線を向ける可能性もある。 阿部慎之助監督とはかつて2009年WBCでともに戦い、世界一に尽力した縁もある。全盛期のパワーピッチングからモデルチェンジしているものの、多彩な変化球を操り、投球術の引き出しも豊富とあって、若手投手陣が多いチーム編成の中、レジェンド右腕が加入となれば、学びも増えそうだ。 そして同じく投手陣の柱が流出するチームといえば、広島もあがる。今季開幕投手を務めた九里亜蓮が海外FA権を行使し、流出も予想されることで試合を作れる先発投手は求められている。 ほかにもDeNAでは昨年最多勝に輝いた東克樹、助っ人勢が先発ローテーションを構成する中、悲願のリーグ優勝に向けて、投手陣にも厚みを持たせたいところ。 中日では左腕・小笠原慎之介がポスティングでメジャー移籍を目指す中、先発、中継ぎ両方務められる福谷浩司もFAイヤーとあって、投手陣の拡充もオフの補強テーマとなっている。 一方、もう一つの注目点、年俸面においては、すでに今季が2億6000万円(推定)と、日本帰国時の当初の年俸、9億円から大幅減額となっている。日米球界で活躍した功労者ともいえる存在だけに、単年2億円ベースで出せる球団があれば、前向きな交渉が臨めそうだ。 日米通算200勝まであと3勝という節目もある。果たして背番号18が来季どこのユニホームを着ているのか。一躍、今オフ移籍市場の新たなキーマンとなった。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]
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