“全国初”救急性ない救急車が“有料”に…茨城県知事「無料タクシー状態」に懸念 最高1万3000円超の請求 県は「緊急時には迷わず要請を」
FNNプライムオンライン
「緊急性のない救急搬送だった場合は料金を徴収する」という、都道府県としては全国初の取り組みが茨城県で始まりました。 「イット!」が訪れたのは、県内各地からの119番通報が集まる消防指令センター。 通報を受けると、まずは病状の聞き取りを行います。 要請があった場合、救急隊は原則として救急搬送を拒否することはできません。 しかし今、緊急性のない搬送要請が増え、問題となっているのです。 2023年、茨城県内の救急搬送件数は14万件を超え、過去最多となりました。 一方で、その半数近い47.9%は軽症だったといいます。 大井川知事は「救急車が無料のタクシー代わりになってしまっているという現状は憂慮すべきもの」と述べ、強い危機感を訴えました。 「救急車は無料のタクシーではない」として茨城県が2日から始めたのが、有料化を取り入れた仕組みです。 救急車で運ばれながらも、緊急性はないと診断された患者から“選定療養費”を徴収する、この制度。 県内22の大病院において、緊急性の有無を医師が判断。 緊急なしの場合、7700円を基本として病院ごとに料金が設定されていて、最も高額な病院では1万3200円が徴収されます。 街の人からは「緊急性がない時に呼んでると、肝心な時に役に立たないので仕方ない」「いたずらみたいなものもあるときのう見たので、(徴収は)いいと思う」といった意見がありました。 都道府県単位では全国初となるこの取り組み。 緊急性が認められていない事例として挙げられているのは「軽い切り傷や擦り傷」や「微熱」、また「虫刺され」のみの症状などです。 判断のポイントは、搬送を要請した時点での緊急性の有無。 病院に到着した時点で症状が改善していても、救急車を呼んだ時点での緊急性が認められれば料金は徴収されません。 同様の取り組みを2024年6月から市として始めた三重・松阪市では、救急車の出動件数が2023年の同じ月より約22%減少しました。 一方で、「呼ぶのに有料となると、ちゅうちょは気持ち的にしちゃうと思う」など、救急車を呼ぶことをためらって重症化しないか、不安の声も聞かれました。 県は、緊急時には迷わず救急車を呼ぶよう呼び掛けています。 いばらき消防指令センター・小林良導センター長: 少しでも緊急性があると感じた時はこれまでと変わらず、ちゅうちょすることなく119番通報していただければと思います。
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