阪神が熱視線を送る福岡大大濠・柴田獅子（写真は7月24日、福岡大会決勝の西日本短大付戦）

　阪神が、24日のドラフト会議での上位指名候補に、福岡大大濠・柴田獅子（れお）投手（18）をリストアップしていることが2日、分かった。最速149キロの本格派右腕で、打者としても高校通算19本塁打の二刀流。1メートル86、85キロと恵まれた体格を生かしてプレーする逸材だ。高校生投手では報徳学園・今朝丸裕喜と並ぶ最上位に評価され、球団の戦略が大学・社会人の即戦力よりも将来性優先となれば、1位で名前が挙がる可能性がある。　 　福岡大大濠の柴田獅子が、そのスケールの大きさから注目を浴びている。高校3年間で甲子園出場はなく、全国的に知名度は低い。それでも1メートル86、85キロの恵まれた体格から繰り出される最速149キロの直球に加え、高校通算19本塁打の二刀流は「リトル大谷」と称される。「獅子」の名前は西武ファンの祖父から付けられた。 　阪神は、大学生の即戦力投手では関大・金丸夢斗、内野手では明大・宗山塁、外野手では青学大・西川史礁（みしょう）らをドラフト1位候補にリストアップする。高校生では報徳学園・今朝丸裕喜と並んで柴田も最上位の評価とみられる。 　九州地区を担当する前田忠節スカウトは、7月の福岡大会前に、この超有望株について言及。「コントロールも良い。スライダーも2種類あって、一通り投げられると思う。プロの世界に入ってもサイズ的にも全く見劣りしない」と賛辞を惜しまず語った。 　今夏、福岡工との3回戦では5回参考ながらノーヒットノーランを達成。この試合で自己最速を3キロも更新した。福岡大大濠OBのオリックス・山下に近い体格で同じ右投げ。ソフトバンクの2軍内野守備走塁コーチ時代の12年に、育成選手から支配下契約した千賀滉大を見ていた前田スカウトは「ピッチングフォームをまねているのかな？と思うぐらい。いいフォームで投げている」と重ね合わせた。現在メッツでプレーする右腕にそっくりなフォームから、角度のある剛球を投げ込む。 　今年から導入された反発力を抑えた新基準バットの影響も感じさせない力強いスイングも魅力だ。練習試合でも中堅から逆方向への本塁打を量産。一方で、今夏の福岡大会では警戒を強められる中、準々決勝では軽々と引っ張って右翼席へアーチをかけた。決勝で西日本短大付に敗れ、全国にその名をとどろかすことはできなかった。それでも、秘めたポテンシャルに、阪神のみならず他球団も徹底マークを続けている。 　高卒投手では今季、8年目の才木が13勝を挙げブレークした。「第2の才木」を育成すれば、投手王国がより強固になる。「獅子」が猛虎の一員となるか、24日のドラフト会議に注目が集まる。 　◇柴田　獅子（しばた・れお）2006年（平18）4月18日生まれ、福岡県飯塚市出身の18歳。小学2年時に庄内ジャガーズで野球を始める。中学時代は飯塚レパーズに所属し、福岡大大濠では1年夏からベンチ入り。1メートル86、85キロ。右投げ左打ち。 　【近年のプロ野球「映えネーム」】 　☆［オリ］山下　舜平大（しゅんぺいた）20世紀前半に活躍した経済学者でイノベーションの父と呼ばれる「ヨーゼフ・シュンぺーター」に由来。 　☆［オリ］古田島　成龍（せいりゅう）母親が大ファンという中国のアクションスター「ジャッキー・チェン」の漢字名から。 　☆伏見　寅威（とらい）ラグビー用語の「トライ」から、花園の高校ラグビー全国大会に出場経験のある父親が命名。 　☆中山　礼都（らいと）イチローや高橋由伸ら「右翼＝ライト」に超一流選手が多いという理由から、自身と同じ中京大中京野球部出身の父親が命名。