正月の株価予想をハズす“金融のプロ”に資金を託す「投資信託」にリスクはないのか?
でも、投資信託を扱うことのできる業者は、国がかなり厳しく管理しています。資本金5000万円以上の会社でなければ登録ができませんし、その会社に投資運用をする能力があるのかなどを金融庁が厳しくチェックしています。 ですから、投資信託を扱えるのはまっとうな業者だけ。「自称プロ」の詐欺師がつくったニセの投資信託が入り込む余地はありません。素性の怪しい人が「これは投資信託ですから安心です」などと誘ってきたとしても、国への登録の有無は、調べればすぐにわかるので、見破るのは簡単です。「インデックス投資信託以外に投資しない」と決めておくことで大部分の投資詐欺を防ぐことができるのはこのためです。 ● 詐欺にあう心配は無くても 失敗するリスクはある ただし、「詐欺師に騙されることはない」からといって、それだけで安心してはいけません。「詐欺にあうおそれがない」と「損をするリスクがない」は、話が別です。 レストランのコースメニューも、シェフの腕が悪ければおいしくなく、思わず「金を返せ」といいたくなることもあるでしょう。投資信託の成績は、運用を任された専門家の手腕に左右されますから、向こうにお客を騙すつもりはなくても、結果としてうまくいかないことはあります。 株価の動きをはじめとする市場の変化は、専門家でも完全に予測することはできません。正月に株式投資の専門家が「今年の日経平均株価はどうなるか?」というような予測をしていたりしますが、あまり当たらないことで有名です。さまざまな会社が発行する株式は、その会社の業績や将来性などによって上がったり下がったりします。2024年8月の株価大暴落を予想していた人など誰もいないでしょう。 ● 投資信託は元本が保証されてない 最後はプロを信じた自分の責任 簡単にいえば、人気のある会社の株式は買う人が多いので値上がりし、人気のない会社の株式は売る人が多いので値下がりするのです。プロが長年の経験に基づいて「この会社の株価はこれから上がる」と予測しても、想定外の原因によって、逆に株価が下がるケースは少しもめずらしくありません。