【訂正】ガンダム新作『ジークアクス』に集うスタッフを解説 鶴巻和哉×榎戸洋司コンビへの期待
「ルックデベロップメント」を担う平林奈々恵&三木陽子に注目
●ユニークなスタッフ編成 その他、『ジークアクス』には魅力的なスタッフが揃っている。まず、目を引くのは、イラストレーター竹による、これまでのガンダムシリーズとは一線を画すキャラクターデザインだ。『ポケモン』シリーズのキャラクターデザインの仕事が有名だが、西尾維新作品の挿画でも知られる。 竹は、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』にもデザインワークスで参加していた。カラーの作品には2作続けての参加となる。この絵柄は、『フリクリ』とはまた別方向のポップな雰囲気を生み出し得るので、鶴巻監督が竹氏のデザインをどう活かすのか気になるところだ。 メカニックデザインの山下いくとは、スタジオカラーの中核メンバーの1人で、『エヴァ』ファンにもお馴染みの存在。制作においてメカ関係の実作業をしきるのは、アニメーションメカニカルデザイン、メカニカル総作画監督の金世俊になるだろうが、金はサンライズでのガンダム作品の経験も長く、鶴巻監督の『龍の歯医者』にも参加している間柄だ。『ガンダム』シリーズをよく知る金がこのポジションを務めることで、メカ描写については同シリーズの一貫性を保ちつつ、山下のデザインを活かした新鮮な雰囲気を作ってくれるのではないか。 気になるのはコンセプトアートに名を連ねている「上田創」だ。これはイラストレーターのウエダハジメのことだろうか。『フリクリ』のコミカライズを担当し、『龍の歯医者』にも参加している同氏なので、鶴巻作品に参加する可能性は低くない。参加するとすれば、これも従来のガンダムシリーズとは異なるイメージを本作にもたらすだろう。 その他、絵コンテや作画監督、デザインワークスなど、カラー系の人材からサンライズ系の人材の他、メタデザイナーとして有名な名前も見受けられ、どんな仕事ぶりを見せてくれるのか楽しみだ。 その他、「ルックデベロップメント」という役職に筆者は注目している。主にCG作品において、どんな絵柄や画風にするのか全体の「見た目」を決める役職だが、とりわけ近年のアニメーションにおいて重要度が増している分野と言っていい。2024年も『ガールズバンドクライ』などの個性的なルックを持ったCG作品が登場しているが、本作がどのようなルックを志向するのか。この役職を担うのが平林奈々恵と三木陽子だが、平林はこれまでのカラー作品にも撮影で参加していたので驚きはない。だが、三木は新海誠監督で色彩設計と撮影という、特に新海作品で重要なパートに関わり、『すずめの戸締まり』では助監督を務めていた人物と同じ名前だ。おそらく同一人物ではないかと思うが、新海作品の画面の美麗さを支えたスタッフが「ガンダム」に何をもたらすだろうか。 スタッフ編成から、これまでの「ガンダム」とは違うものを作るぞという意気込みを感じさせる。鶴巻監督がこれらの才能をどうまとめ上げて、どんな映像を生み出すのか、楽しみだ。 ※記事初出時、本文に誤りがありました。以下訂正の上、お詫び申し上げます。(2024年12月11日10:15、リアルサウンド編集部) 誤:ガンダム新作『ジークアス』に集うスタッフを解説 鶴巻和哉×榎戸洋司コンビへの期待 正:ガンダム新作『ジークアクス』に集うスタッフを解説 鶴巻和哉×榎戸洋司コンビへの期待
杉本穂高