65歳までに本当に必要な貯蓄額はいくら?年金生活に入ってから必要な費用をシミュレーション
老後にどのくらいのお金が必要になるのか負担に感じている方もいらっしゃるでしょう。 本記事では、各機関のデータを参照しながら、老後に必要な資金がどのくらいなのか解説すると共に、高額になることもある医療費や介護費の平均額と安く抑える方法を解説します。 ◆60歳代の金融資産保有額(金融資産保有世帯のみ)はいくらか。写真の後半では平均余命や介護費用を紹介 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
60歳代の貯蓄額を一覧で見る
金融広報中央委員会のデータによると、60歳代の金融資産保有額で最も多いのは3000万円以上の26%となっています。 ・100万円未満:7.4% ・100~200万円未満:5.7% ・200~300万円未満:5.5% ・300~400万円未満:3.8% ・400~500万円未満:2.4% ・500~700万円未満:9.2% ・700~1000万円未満:8.4% ・1000~1500万円未満:8.7% ・1500~2000万円未満:6.8% ・2000~3000万円未満:12.0% ・3000万円以上:26.0% ・平均:2588万円 ・中央値:1200万円 ついで、2000~3000万円未満が12%と2番目に高くなっています。 60歳は現役で働きながら貯めた貯蓄があるのに加え、退職金など受け取っている方も多く、平均的な貯蓄額は高くなっていることが分かるでしょう。 なお、同データでは平均値が2588万円、中央値が1200万円となっています。 ただし、上記は金融資産を保有している方のデータです。 60歳代の方で金融資産を保有している人の割合は79%、保有していない人の割合は21%となっており、保有している人の割合がかなり高いとはいえ、60歳代全体で見てみるともう少し低い数値であることが予想できるでしょう。 ちなみに、60歳代全体の平均貯蓄高は458万円となっています。
老後にかかる費用は?医療費と介護費用の平均額
60歳代の平均的な貯蓄額、金融資産保有額のデータをご紹介しましたが、実際のところ、どの程度の額を貯蓄しているとよいのでしょうか。 ●医療費と介護費の平均額 ここでは、医療費と介護費から考察してみたいと思います。 まず、医療費については厚生労働省の「生涯医療費(2021年度)」によると、生涯に必要な医療費の額である生涯医療費は2815万円です。 また、生涯医療費の額を65歳以上に絞ると、1604万円となっています。 次に、介護費用を見てみましょう。 公益財団法人生命保険文化センターが2021年に行った「生命保険に関する全国実態調査」によると、一時的な費用として平均74万円、月々の費用として平均8万3000円となっています。 医療費と介護費の平均的な額から、老後に必要な貯蓄額をシミュレーションしてみます。 まず、厚生労働省の「令和5年簡易生命表の概況」によると、日本人の男性の平均寿命は81歳、女性の平均寿命は87歳となっています。 65歳からを老後、日本人全体の平均寿命を84歳と考えると、19年間あります。 介護費は平均月額8万3000円だったので、19年間の額を計算するとどうなるでしょうか。次章で試算してみます。