巨人・秋広優人が選んだ2025年決意の一文字…定位置奪取と昨年0発の悔しさから脱する
巨人の秋広優人内野手(22)が2日、新年の誓いとして定位置確保を掲げた。都内のグラウンドで中学時代に所属していた江戸川ボーイズの交流会に参加。原点の地で「レギュラー奪取」と、「去年の自分から脱皮する」という決意を込め、今季の漢字として色紙に「奪(だつ)」と記した。今オフにオーストラリアのウィンターリーグ(WL)に参加した背番号55は中日・中田らとの自主トレでも己を磨き上げ、5年目の今季、確固たる居場所をつかみ取る。 秋広の今季にかける思いがほとばしった。東京・江戸川区にあるグラウンドの気温は7度。そんな寒さを吹き飛ばすほど背番号55の心は熱く燃えている。新年の抱負として、色紙に「奪」としたためた。 「レギュラー奪取ということと、ヘビ年ということで脱皮、去年の自分から脱皮する。その2つの意味で“だつ”にしました」 定位置を奪いにいく。一塁、左翼は激戦で、同じ左打者で同ポジションを守る新助っ人のキャベッジも加入。争いはし烈だが引き下がるわけにはいかない。「レギュラーとして1年間試合に出られるように」と覚悟をにじませる。 色紙に記した漢字は「奪」だが、もう一つの決意が込められている。「奪」を「だつ」と読み、だつ=脱の意味だ。今年の干支(えと)であるヘビが脱皮を繰り返して成長していくことから、その姿を自らに重ねた。昨年、阿部監督から「全く何の魅力も感じなかった」と当てにいくような打撃に苦言を呈されたこともあった。26試合で0本塁打と苦しんだ昨季から必ず脱する。「ふがいなさ、悔しさを今年は晴らしたい」。ひと皮むけた姿で今シーズンは逆襲する。 誓いを果たすための準備は進めている。オフは昨年12月下旬までオーストラリア・WLで武者修行。23試合で打率3割2分1厘、2本塁打、8打点をマークした。休む間もなく今後は沖縄で中日・中田らと鍛錬に励む。「自主トレでしかできない練習があると思うので体づくりや、技術面も成長できるような機会にしたい」。例年と同様に筋トレや食トレでのフィジカル強化に努めながら、バットを振り込む日々を送っていく。 年越しを迎えた場所は神社で、おみくじはプロ入り後初めての大吉。江戸川ボーイズの交流会で始球式を行った大器は「(おみくじを)財布に入れて御利益をもらおうかな」と声を弾ませつつ、「いいスタートが切れるように頑張りたい」と表情を引き締めた。脱皮した“ニュー秋広”で今季を躍進の年とする。(宮内 孝太)
報知新聞社