鹿児島県議会一般質問 与論大雨、早期復旧取り組み 自転車乗車時 県立高校ヘルメット義務増加
鹿児島県議会12月定例会は5日から一般質問に入り、同日は松田浩孝議員=公明党、鹿児島市・鹿児島郡区=、長田康秀議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=、伊藤浩樹議員=自民党、出水市区=、郷原拓男議員=自民党、鹿屋市・垂水市区=が登壇した。与論町大雨災害の復旧について職員を現地に派遣しての対応が説明され、今後も一日も早い復旧に向けて取り組むとした。 与論町災害は松田議員が質問し、木佐貫浄治・土木部長が答弁。11月8~10日にかけての記録的な大雨により大雨特別警報が発表された与論町では床上浸水や崖崩れにより道路の通行止め、農作物などの被害が発生した。 木佐貫部長は「県では8日に災害救助法の適用を決定するとともに、翌9日から土木職や農業職、農業土木職の職員延べ35人を現地に派遣した」と述べ、道路通行止めの早期解除、浸水被害調査や農地等の早期復旧など逼迫(ひっぱく)している現地対応への技術的助言を行ったと説明した。 今回の大雨の雨量に関する報告もあり、24時間最大降雨量が気象庁の観測所で594㍉、県の観測所で813㍉を記録、観測開始以降1位を更新し非常に激しい大雨となった。木佐貫部長は「近年、全国的に気候変動の影響に伴い施設能力を上回る洪水が発生するなど被害が頻発化、激甚化している。住民の命を守ることを第一に、避難体制の充実を図ることが一層重要。県としては今後、町が行う浸水対策や避難体制の充実に引き続き技術的助言を行っていく」と述べた。 自転車の酒気帯び運転等及び携帯電話使用に関する罰則規定の整備が図られた改正道路交通法(11月1日施行)について岩瀬聡・警察本部長は「ホームページやSNS、交通安全キャンペーンなどのあらゆる媒体、機会を通じて法改正を含めた自転車の安全利用について広報啓発活動を推進している」と述べ、県民からは「『運転しながらスマートフォンを使用しないのは当たり前』の声や、『自転車も安全運転に努めたい』などの意見をいただいている」と報告した。 県立高校でのヘルメット着用については地頭所恵教育長が答弁。道路交通法の改正を受けて「(自転車乗車時)ヘルメット着用を義務化している県立高校は昨年度11校、今年度は21校と増えており、翌年度以降着用義務化を検討している学校もある」と述べた。保健体育課によると、いずれも5月末現在の調査で、義務化は大島地区の高校も含まれているという。課題について地頭所教育長は「ヘルメット着用必要性について理解の醸成」を挙げ、「生徒の命を守るため保護者会等での啓発や生徒総会などでヘルメット着用の義務化を検討する機会を設けるなど自転車乗車時の着用を推奨している」と述べた。