山梨県、質問封じ一転謝罪 報道側に「制約招いた」
山梨県の長崎幸太郎知事への個別インタビュー取材を巡り、県が自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件の関連質問を扱わないよう報道各社に求めた問題で、県は12日、報道各社が「質問内容を制約する趣旨と受け止める状況を招いた」として、文書で謝罪した。取材活動規制の意図を否定した2月下旬の回答から態度を一転させた。 12日の文書は、県広聴広報グループを統括する小林徹知事政策補佐官の名前で出された。質問封じに関し「当方の見識不足に端を発した前例のない深刻なもの」と強調。「認識を新たにし、深く反省する」と記した。報道各社加盟の山梨県政記者クラブは5日、長崎、小林両氏宛てに抗議文を出していた。 2月の報道各社の個別取材に先立ち、県は質問の事前提出を要求。政治資金の関連質問を削除しないと取材に応じないなどと通告した。複数社は尋ねた一方、地元民放1社が実際に拒否された。 クラブ側は2月下旬「意に沿わない報道に圧力をかけた」とする抗議文を提出した。