263日ぶり代表復帰の香川真司は森保Jに何を感じ取ったのか?
追う展開になってからは、トップ下から1トップにポジションをあげた南野を含めて、攻撃陣の意識が中央へ向いてしまった。敵陣の中央でボールを受けた香川は、幾度となくタッチライン際へのミドルパスを通している。自分たちの武器を生かそう――明確なメッセージが込められていた。 昨年9月に船出した森保ジャパンは、ロシア大会組の主力をあえて招集しなかった。初陣となったコスタリカ代表戦では、左から中島、南野、堂安で構成される2列目が躍動。新生日本代表の象徴になりうるトリオを誕生させたうえで、10月シリーズからは既存の戦力との融合が図られる。 FW大迫勇也(ベルダー・ブレーメン)、MF柴崎岳(ヘタフェ)、DF長友佑都(ガラタサライ)、そしてキャプテンを担ったDF吉田麻也(サウサンプトン)が新戦力と融合した一方で、当時所属していたボルシア・ドルトムントで出場機会を失っていた香川は、足首のけがもあって選外となった。このあたりから、過去に経験したことのない感情が芽生えたと、香川は振り返ったことがある。 「9月はいいオフを過ごせたというか、久しぶりに代表活動期間中はゆっくりしていたけど……10月や11月になってくると、もどかしい気持ちを感じるようになった。自分も早くあの場所で戦いたい、みんなと競争したい、という気持ちが余計に強く芽生えてきた」 実質的な構想外となったドルトムントから、今年1月末にトルコへ新天地を求めた。ベシクタシュで6試合に出場して3ゴールをマーク。満を持して日本代表復帰を果たし、森保ジャパンに初めて合流した香川は挑戦者の気概を胸中にみなぎらせていた。 「新しい体制のもとで半年間やってきた中で、積み上げられてきたものが少なからずある。結果を残している選手はリスペクトされるべきだし、競争は確実に生まれてくる。もちろん僕自身も結果を残せるように、一からこのチームで頑張っていきたい」 コロンビア戦の前半で、香川が抱いていた好印象は確信に変わった。ボールを奪えばショートカウンターを発動させ、中島、南野、堂安が迷うことなくシュートを放つ。ペナルティーエリア内に攻め込んだ形もあれば、ミドルレンジから狙った一撃もある。前半はシュート数で8対3と圧倒した。 「チームとして非常にアグレッシブで速い攻撃ができていたし、みんなが自信をもってプレーしていたのを初めて(目の前で)見て、僕自身も大きな刺激を受けた」