蒲郡市の土砂崩れ 愛知県と専門家が調査
表層崩壊か
愛知県蒲郡市竹谷町大久古で8月27日夜に発生し、民家にいた5人のうち3人が亡くなった土砂崩れ災害で、県は4日、原因を解明するために専門家と一緒に現地調査した。専門家は「表層崩壊」が起きたと指摘した。【林大二朗】 現場は市西部の山あいの場所で、民家の裏山の斜面が30㍍崩れた。国土交通省中部地方整備局が同29日に調査結果を発表した際は、崩壊面積1000平方㍍、土砂量は1000立方㍍だった。また、この場所は土砂災害警戒区域には指定されていない。 この日、名古屋大学減災連携研究センター所属で砂防学専門の田中隆文客員教授をはじめ、県砂防課や東三河建設事務所、市職員など計31人が現地入り。崩れた場所を中心に調査を進めた。 田中客員教授は、山の表面を覆っている土壌の部分だけが崩れ落ちる表層崩壊だったと指摘。「特徴はここでしか土砂崩れが発生していないこと。斜面に特別な特性があるのではないかと考えられる」と話した。 また、一般的に表層崩壊は発生後に何日間にわたり水が出ている場所があるが、今回の調査ではそのような場所が見当たらないとも述べた。田中客員教授は「地元住民などから情報を集め、調査を進めていきたい」と話している。
東愛知新聞社