中日から指名を受けた吉田投手（24日、大垣市で）

　24日に行われたプロ野球ドラフト会議で、岐阜県内では社会人野球・西濃運輸（大垣市）の吉田聖弥投手（22）が中日から2位で指名を受けた。朗報を受けた吉田投手は笑顔を見せ、夢の舞台での活躍を誓った。

　吉田投手は記者会見し、「ほっとした。2位という高い評価をいただき、うれしい」とやや緊張した面持ちで喜びを語った。 　佐賀県唐津市出身。高校卒業後、2021年に入社。身長1メートル75の左腕で、最速152キロのストレートとチェンジアップが武器だ。7月の都市対抗野球では3試合に先発し、西濃運輸を8年ぶりの4強に導いた。 　記者会見場の別室で、野球部の麻生隆造マネージャーらと会議の成り行きを見守っていた。指名が決まると「おーっ」と歓喜の声が上がり、麻生マネージャーとがっちり握手。高校時代の野球部の監督、家族に電話をして、喜びを分かち合ったという。

　これまでの野球人生は 平坦ではなかった。高校時代は甲子園出場はかなわなかった。2年の夏の県予選は8強だったが、3年の夏は連合チームで出場し、初戦で敗れた。入社して2、3年目は左肩の故障に悩まされ、一度は野球の道を諦めかけたこともあった。「苦しかった。一人では乗り越えられなかったので、感謝したい」と目を潤ませた。 　プロ入りを意識したのは、昨年11月の日本選手権・準々決勝ホンダ戦だった。それまで先発で長い回を投げられなかったが、五回途中まで1失点と好投。「何かつかむことができ、プロでやっていく自信がついた」 　報道陣の求めで、色紙に記した言葉は「感恩報謝」。受けた恩をありがたく思い、最高の礼をもって報いるとの意味で、今回の指名で体現することができた。

　目標は、現巨人投手チーフコーチの杉内俊哉氏。小学生の頃、祖父に連れられて球場で見たのがきっかけだ。「僕自身がプロ野球を見て、野球をするきっかけになった。今度は、僕が子どもたちが野球をするきっかけになったり、憧れてもらったりする投手になりたい」と抱負を述べた。