年収1000万以上も夢じゃない!?若者たちが続々と参入…いま《酪農の世界》がアツい「意外な理由」
「酪農」と聞いてみなさんが思い浮かべるのは何だろうか。高原の牧場でのんびりと美味しそうに草を食む牛の姿、はたまた牧草ロールが転がる北海道の草原を思い描く人もいるかもしれない。 【マンガ】「日本人はヤバい」オーストラリア人が「日本のうなぎ」を食べた「衝撃」 近年、牛乳やバターなどの乳製品が値上がりし続けている。スーパーで値札を見て、「いつの間にこんなに高くなったのか」と目を丸くした人も多いだろう。日本で販売されている牛乳の平均価格は、2014年1月には194円(1000mlあたり)だったのが2024年1月には252円と、この10年で約30%も上昇した。 なぜ、“物価の優等生”ともいわれた牛乳がこんなに高騰しているのか? 日本の酪農家はいまどんな状況に置かれているのか? その背景を探るべく、15年以上にわたって酪農の現場を訪ね歩いてきた研究者であり、入門書『酪農家になりたい君へ 牛乳から世界がかわる』の著者、北海道大学大学院農学研究院で地域連携経済学を専攻する小林国之准教授に話を聞いた。 前編記事『「牛乳は10年で3割値上げ」「1000円超えのケーキ」なぜ乳製品の高騰は止まらない…?日本の酪農家が直面する「過酷な現実」』よりつづく。
若者たちが新規参入し始めている
さまざまな問題が山積し、危機に直面している日本の酪農業。 だが、ピンチはチャンスともいえる。後継者不足に悩む業界だからこそ、思わぬ未来が拓けるかもしれない。現在の全国の酪農の新規就農者数は年間でわずか約150~200人ほど。年間500~600人ほどが離農していることを考えると心もとない数字ではあるが、希望はある。 「実は、酪農は一番継続的に新規参入者が入ってきている分野でもあるんです。たとえば北海道の浜中町のように、事業者の3割以上が新規参入に入れ替わった地域もあります。『酪農をやってみたい』という若者たちは一定数いるので、中古物件をリノベーションするなどして、どうやって安く受け継いでもらうかが喫緊の課題です。自治体によっては補助金や融資などの支援もあります」
【関連記事】
- 【もっと読む】世界的“SUSHIブーム”で日本人が魚を買えなくなっている…!「サーモン価格は10年で2.5倍」庶民の味方「回転寿司」に迫る危機
- 【さらに読む】「令和の米騒動」の原因は猛暑やインバウンドだけじゃなかった...深刻な米不足が今後も起き続ける「本当の理由」
- 【はじめから読む】「牛乳は10年で3割値上げ」「1000円超えのケーキ」なぜ乳製品の高騰は止まらない…?日本の酪農家が直面する「過酷な現実」
- 中国の爆買いで日本から「牛丼」が消える…値上げ止まらぬ《庶民の味方》、元凶は高騰する「牛肉の奪い合い」にあった
- 「ワタミのサブウェイ」成功率は“かぎりなく低い”と言える残念な理由…美味しいのに「日本人にさっぱり流行らない」のはなぜなのか