「写真30枚レポ」歩き始め1分から絶景! 標高300m未満でも大人気「ご当地アルプス」見どころ
兵庫県加西市(かさいし)に位置する「古法華(ふるぼっけ)自然公園」は広大な自然公園である。この古法華自然公園内にある「加西アルプス」は、その名の通りアルプスのようなダイナミックな絶景が広がる人気の登山スポットだ。 ■【画像】地元で大人気の「ご当地アルプス」名物の吊り橋、ユニークな石像・磨崖仏、パノラマ展望台、岩稜の馬の背、水面が美しい溜池とめがね橋、懐かしい木造の駅舎、広大な平野、見どころ満載の写真27枚を見る 「加西アルプス」の2大ピークは標高251mの「善防山(ぜんぼうやま)」と、標高244.4mの「笠松山(かさまつやま)」。いずれも300mにも満たない低山なのだが、週末は多くの登山客が訪れる。筆者が訪れたのは平日だが、それでも20人近くの登山客とすれ違った。 なお「加西アルプス」は山頂からの展望が絶景なのにもかかわらず、人気スポットに「山頂」が取り上げられることは少ない。それほど「加西アルプス」には見どころが多いということである。 「加西アルプス」の登山ルートは数多い。今回は数ある中でも「加西アルプス」の見どころを全部めぐることができる「8の字縦走コース」を歩いてみた。このルートは歩き始めて1分で眺望が開け、次々と絶景が現れる。これほど手軽に雄大な景色が楽しめる低山はそう多くないだろう。 筆者は今回初めて「加西アルプス」を訪れたが、何度でも行きたいと思うほど気に入ってしまった。「加西アルプス」は本当におすすめだ。
■8の字縦走コース
「8の字縦走コース」は、「王池親公園(おうじさらいけしんすいこうえん)」駐車場真向かいの善防山に向かう「大手門登山口」がスタート地点。歩き始めて1分で岩場に到着し、そこからは王池親公園が真下に見下ろせる。 岩場を過ぎると木漏れ日が美しい林を進むルート。中腹からは播磨平野が見渡せ、笠松山山頂も遠望できる。 ●善防山 善防山山頂に近付くと、尾根が不自然に平らになり一目で城跡と分かる場所が現れる。この城跡は室町時代の「善防山城跡(善防師城跡)」。播磨の守護大名赤松氏の城跡だ。城跡は善防山山頂一帯に広がる。山頂は広く、眺望も抜群だ。 なお、この善防山城は、「嘉吉(かきつ)の乱」で幕府軍に攻め落とされた赤松氏の城の一つ。「嘉吉の乱」とは、播磨守護赤松満祐(みつすけ)が六代将軍足利義教(よしのり)を暗殺したことで勃発した騒乱である。山頂の案内板によると、明治初期まで乱の戦死者の白骨が多く埋まっていたらしい。 ●加西アルプス名物「吊橋と摩崖仏」 善防山を過ぎると下りルートだ。眺めのよい尾根道を進むと、善防山と笠松山の間の谷にかかる吊橋に至る。この吊橋は「加西アルプス」の名物スポット。吊橋が見え始めると、そこから笠松山までの登山道も一望できるのだ。 「吊橋」を渡ると、大きな岩場で鎖場になっている。ただ鎖場と言っても難易度は低いので心配無用。たまたま居合わせた小学生もスイスイ登っていたくらいだ。そして岩場の上は尾根道になっており、真正面の崖には、独特な表情の摩崖仏(まがいぶつ)が見える。 ●笠松山 吊橋以降も見晴らしのよい道が続く。振り返ると、善防山から歩いてきたルートも一望できる。300mもない低山ご当地アルプスとは言え、アルプスと言われるだけのことはある景色だ。 なお、とがった山だけに笠松山の山頂はそれほど広くはない。山頂には360度の眺望を楽しむことができる展望台がある。 笠松山からは「古法華池(大柳ダム)」湖畔までやや急な下り坂。途中東屋のあるピークを経由し、次の目的地「馬の背」を真正面に見ながら下る道となる。 ここもかなり景色がよい道なのだが、階段が朽ちて鉄の杭がむき出しになっている状態。転倒すると危険なのでゆっくり歩こう。
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