「タバコもやめたで」阪神・岡田前監督が「オーナー付顧問」就任 「練習では一喜一憂する必要ない」
阪神は6日、大阪・野田の阪神電鉄本社で、岡田彰布前監督(66)と11月1日付けで「オーナー付顧問」として球団フロント入りする契約を交わした。契約期間は3年間。オーナーへの助言を含め、阪神の野球全般を支援していく形で活動する。 契約を済ませた岡田顧問は「ユニホームは脱ぐけど、まあ(監督を)2年やって、継続してね。また違う方向で、違う立場でアドバイスというか、そういうことで手助けすることになる」と新たな任務への抱負を語った。シーズン終盤は体調を崩していたが、入院中に、チーム方針にも呼応するように禁煙に挑戦。藤川球児監督が指揮を執る秋季安芸キャンプを近く視察し、新監督にアドバイスを送る予定だ。それでは久々の岡田節を一問一答で。 ――体は 「うん、大分いい、大分いい」 ――顧問就任にあたって。 「就任っていうか。まあ、2年やって、継続してね、ユニホームは脱ぐけど、まあ、あれやなあ。また違う方向で、違うところからね、違う立場でアドバイスとかそういうことで手助けするというか、そういうことになると」 ――どういう風にチームを支えていきたいのか。 「いやいや、それは、いろいろなあ、キャンプとか行ったらまあね、話す機会とかあると思うから。まあね、相談とかわからんこともあると思うからそらね。初めてのそういうあれやから。選手のそういう、力っていうか、どういう力をだせるかというか、2年間見てきた中での自分の中での総合的な判断っていうかな、その選手に対しての。そういうアドバイスはできるし。おいおいそういう風にして話をしていく言うような感じやろな」 ――キャンプは何日間くらい。 「いやいや、もう、ワンクールくらいや」 ――藤川監督になってからの報道も見ているのか。 「うん、見てるっていうか、まあ新聞とかそんなんは見てるけど」 ――何か思うことは。 「思うっていうかまあ、まだまだ長いでと思うけどな(笑)。そんな慌てるというか、まだまだそないして、判断するのはまだまだ先やからっていうのがな。その日その日の判断やなしにな、おーん。長い目っていうか、やっぱり3月の一番大事な時期にベストな形で持っていくというかな。そらチーム編成もちょっとは変わるかもわかれへんけど。それはもっと長い目でな、見た方がええというかな。今日はよかったけど明日はあかんようになるとか、昨日よかったけど今日は全然あかんとか、そんなんの繰り返しやからな。それはあんまりそんなん、練習の中では一喜一憂する必要ないというか」 ――監督はどーんとしていたらいいと。 「そんなん、今から考えとったら体もつかいな。まだ11月やのに」 ――意見をばしっと言われる方だと思うが、外から見るのは少し違う。 「いやいや、そらもう、最終的には結果やからな。勝敗つくのは、勝負っていうのは。シーズン入って、グラウンドでな、どんだけ選手が力出すかいうので、その持っていき方で、どないして持っていくかやからな、俺らはな。それは結果はいうてもしゃーない。そんなんわかれへんわけやから今は。でもやっぱりある程度、自分の思い描いている形は作って入らなあかんわな。だからあの、結構な、今年の試合やっていくと、DeNAでもシーズン、ゲームをやるようになってやるたびに強くなったとかな。それは勝敗の結果であって、やっぱり最初からある程度強いチームを作っとかなあかんって。俺はそういうことを思うよ」 ――それはこれから言っていくのか。 「そうそう。ある程度勝てるというか、そういう戦力というか、それは作ってスタートしないと。なあ。それでそれよりも、もっとシーズンで勝ち負けによって、力をつけていくいうのはあるかも分からんけど、なあ、最初のスタートはやっぱり、選手も首脳陣もある程度いけるという確信を持ってスタートするのが一番と思うし、なあ、選手もヨシ今年はなんか行けそうやという、そういう雰囲気というか、ムードを持って、やっぱりなあ勝てるという、そういう気持ちの中でスタートせなあかんと思うよ。なんか試合するたびに強なったとかな、それは確かにあるけど、それは結果として勝敗でそうなるわけやからさ、どこのチームもそうなるわけないやん。試合するたんびに弱なるチームもあるで。それはやっぱり力がなかったということやから、やっぱある程度、戦力的にもそういうチームは作らなあかん、なあ。作っとかなあかん、作ってスタートせなあかんなあ」 ――藤川監督も前任者が日本一になったというプレッシャーがあると思うが。 「いや、プレッシャーというか、その勝ち負けは当然そのねえ、勝ち負けつくわけやけど、でもねえ、勝てるチームをまず作ってスタートするということよ。みんながな。これは首脳陣もさっき言ったように、選手もやっぱりな、よし今年はこれで勝てるとかな、それでスタートするということや。そらまあキャンプとかオープン戦見て、ファンも今年はまた行けそうやなとか、そういうチームを作ってスタートするということやで。そら全然あかんのに、優勝優勝言ってもしゃあないやん」 ――藤川監督は就任会見で監督に電話されたと言っていたが、どんなやりとりを。 「いやいや、監督やりますという話やったよ。そんなもん電話でそんなにたいそうな話はでけへん」 ――キャンプではどういうところを見てみたいのか。 「見てみたいって、そらもうある程度チームは分かっているからさあ。新しい選手とかもいてないし。まあ、なあ、結局はこの秋はなあ、個々のなあ、もうワンランク、ツーランク、レベルを上げるというかな、個人の練習になると思うからな。やっぱりみんなの自覚よな。コーチとか変わっても、やることはそんなないって、これ以上変わったことはでけへんって、もう。みんな野球やってきて、いろんな練習してきてな、これが新しい練習方法ってあらへんって。それはやっぱり継続よ。積み重ねや。積み重ねができる選手はなあ、また来年2月勝ち残るんちゃう。安心してしもたらあかんしな。1つでも2つでも自分の持っているいいところをもう一つ伸ばすいうかな。そういう時期やからな、今はな」 ――オーナー付顧問はこれまでとは違う役職。窮屈ではないか。言うたらあかんとか。 「そんなんないない。いろんなことをやっても別に制限はある程度ないけど。野球以外のことをやるつもりもないし。そんなんしんどいわ。解説とかはちょこちょこやるかも分からんけど。まあでも、勝ち負けできるチームやからな。それは単発単発で話しててもしゃあない。シーズン長いからのお。継続やからな。最終的に勝てばええんよ」 ――現場で選手への指導は。 「指導しないしない。指導なんかせえへん。指導料もろうてへんもん(笑)。口代はもろうてるけど(笑)」 ――佐藤(輝)や中野も今年は秋季キャンプで練習している。 「来れなかった言うてもしゃあないやから。去年はあんな形やったし、おととしは2人とも(代表に)行ってたわけやから」 ――伸びしろもあるしいいこと。 「いいことと言うか、それがまず普通よ。まだあのぐらいなら普通は今までならずっと秋季キャンプ出とったよ。30ぐらいかな、昔の感覚的に免除なるんは。30近くになって本当に2年、3年レギュラーポジションで引っ張って、ほとんど1年間フルで戦った人は免除やけど。ベテランの。35、6とか今おらへんけどな。感覚的には秋はだいたいそうよ」 ――それぐらい秋は大切になる。 「本人も当然、納得してないだろうし、今年の成績、今までのプロとしての成績も納得していない。もうちょっとやれるという意識があるんだったら当然、この時期はあのクラスぐらいなら自分なりに足りないことやりたいことができるから一番いい時期じゃないかな。2月はできへんで。2月はそんな全体的な練習になってきてな。2月も実戦、紅白とか早いやろ。秋に紅白戦なんか俺は、全然意味ないと思うけどな。俺は意味ないと思うで。何を評価すんの?2月になったら忘れてるよ」 ――ファンのためにという意味も。 「体ができてるからこの時期は練習はできるんよな。だから、実戦っていうかな。いや俺はなんで実戦しなかって言ったら、俺らは楽やから。見てるだけ楽やんコーチ。コーチ楽させたらあかんから。そんな楽なことないよな。それでここで結果が出たから開幕つこってくれるかいうたらそんなんもう忘れてるわけやから、はっきり言うてな。2月なんて忘れてるやろう。ここで打ったからいうて、2月キャンプ抜てきするとかな。もうそういう問題やないからな、結局はな。やっぱり振り分けてなあ、1、2軍っていうのはあるわけやから、人数的なもんもな。その辺はやっぱりシビアになってくるからな選手は。今1、2軍も両方沖縄におるからな。合流しやすいかもわからんけど」 ――シーズン始まったら、ホームゲームだったら足を運ばれる予定ですか。 「うん。全然。そんなん全然決めてないよ。いや、別に。ビジターも行くよ。あいさつ回りもあるし。(沖縄も)いや、行くよそら」 ――秋のキャンプからは禁煙の形になったが。 「もうやめたよお前。なんや、たばこなんか1カ月やめているよ。持ってないよ。もう1カ月やめたで。球児が家に来た時にお前、俺も禁煙したからって言うたよ」 ――岡田さんが禁煙したからチームも。 「違う違う違う、一応球児に言うたんよ。俺も禁煙したでって。あいさつ来た時に。あいつも僕も4年前から(禁煙)って言うとったから」 ――やっぱり体調のことを考慮されて。 「いやもう吸えへんようなったからや。入院したから、もう1週間、入院したからもうそんなん全然たばこなんかお前」 ――すごいっすね。 「もうちょうど1カ月ちゃうか。7日からよ、甲子園の身体検査の次の日からよ。死にかけたからな」 ――CSの前ですよね。 「そうそうそう。点滴打ちに行って。身体検査の次の日やろ」 ――入院されてた期間というのは。 「検査とかいろいろな」 ――なんでやめようと。 「吸われへんようになったからやんか」 ――また復活するかもわかんないですか。 「知らんわ」 ――イライラしませんか。 「全然せえへん。全然、全然欲しないよ今」 ――元気になってきたか。 「ちょうど1カ月やな。点滴打ちに行ってからやからな。クライマックスの時もたばこ吸ってないよ。ベンチ裏でもたばこ吸ってない。持っていってないもん。吸ってない。吸うような展開ちゃうかったやん。いらんかった」 ――安芸いっても全然大丈夫ですか。 「全然大丈夫。別に全然そんな何もないわ」 ――お酒は。 「ビールは飲んでる。まずいけどなあ。苦い」 ――藤川監督の禁煙方針は賛成? 「いやいや、別にそんなんかまへんよ、そんなんお前。そんなん別に昔も野村さんの時やってたもんな。禁煙やったで。俺は2軍監督で。25歳まで禁煙やったかな。そうやったで。25歳まで禁煙違うか。よう分からんけどな、25歳て。どこで区切ったのか知らんけど」 ――選手にとって吸わない方がいい。 「俺もよう分からんけどな。ストレスっていうか。ずっと吸っとったからな。昔はしかし吸うてる選手の方がいい選手多かったよな。みんな吸うてるやん。王さん、長嶋さんかてそうやんか。昔は20歳になったら吸わなあかんってなってたんやろな」 ――顧問がきたら球児はやりずらい。 「そんなん」 ――好きなようにやったらいい。 「そんなん当たり前やんか。自分のチームやねんから。分からんことあるからな。1シーズン、そら1回でも、1年でもやったら流れというのは分かるけど。そら長いぞ、1年。長い長い、まだ11月やで。え?」 ――佐藤輝2番とか。 「そんなんお前、だってお前、昨日終わったんやで、去年。昨日やで。ちょうど1年やで、そうやろ?そんな1年先のこと考えとったら野球なんかできへんって。だから一喜一憂したらあかんて。今日良かった、明日どうやろ、明日あかんのんちゃうかなとか、そんなんしとったら1年もたんて。こんなもんやろと思ってずっと過ぎていったらええんよ。いつかめっちゃようなってるわ。こんなもんやろって思ってたもんがめっちゃようなってるよ。それが積み重ねの継続やんか」 ――それが長い監督経験の中で感じたこと。 「そう」