NY中心部で米国初「渋滞税」開始、公共交通機関向け資金調達
David Shepardson [ワシントン 6日 ロイター] - 米東部ニューヨーク市は5日、マンハッタンの60丁目以南を走行する車両に通行料金を課す「渋滞税」を米国で初めて導入した。 60丁目以南は世界的なビジネス街があり、米国最悪の渋滞地帯と言われる。「渋滞税」では、日中の乗用車の乗り入れに9ドル、トラックやバスは最大21.60ドルを徴収する。夜間は75%引き。徴収はナンバープレート電子読み取り装置を通じて1日1回に限られる。タクシーとライドシェアの自動車も徴収対象になる。 同市交通局によると、この措置により、導入前の11%に相当する1日当たり8万台の走行車両の減少が見込まれている。 マンハッタンの企業活動中心地域(CBD)には毎日70万台以上の車が乗り入れており、平均時速はのろのろ運転の約7マイル(11キロ)。2010年と比べると23%遅い。 同市は徴収総額が初年度に5億ドルに上ると見積もっている ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は、地下鉄やバスなど公共交通機関の整備費用に150億ドルを借り入れる際の支払い原資に充てる方針を表明している。 同市はトランプ次期大統領の20日の就任を前に「渋滞税」を駆け込み導入した形。ただ、マンハッタンに住居を持つトランプ氏は導入に反対で、撤回を求める意向を明らかにしている。 渋滞緩和を狙った料金徴収の仕組みはロンドンで03年に導入され、現在15ポンド(19ドル)が課されている。