広瀬アリス×風間俊介が考える“信じる”とは?「信じるって思考停止の瞬間があると思う」
1年前の悩みなんてみんな思い出せませんから
――千紗は過去のトラウマと向き合いながら真実を追求しようとします。千紗ほどではないにせよ、人生に苦しみはつきもの。お2人は苦しみとどう対峙して乗り越えていますか。 広瀬 今って100歳まで生きられる時代じゃないですか。だから、たかが1年とか、半年ぐらいの間、しんどいことがあっても、長い人生というスパンで考えれば、どうってことないと思うようにしています。私の場合、ダイエットがそれなんですけど。人間の体が変わるのは3ヶ月らしくて、ダイエット中は確かにキツいけど3ヶ月ぐらい犠牲にしてやるって思っちゃう(笑)。 ――苦しみはずっとは続かないと思うと確かに楽になれますね。 広瀬 続かないです。大丈夫。だって、1年前に何に悩んでたとかみんな思い出せませんからね。それに、楽をしても何も得られないということを身にしみて感じた瞬間があって。楽をしてる間は確かに楽しかったけど、自分の気持ちが大きく変わることもなく、ずっと足踏みが続いている状態でした。だったら少しくらい苦しい思いをしても向き合って受け入れた方が得られるものがある。言葉にするのは簡単で、実際にはものすごくエネルギーが必要だし、投げ出したくなるんですけど、そういうときは苦しみを乗り越えたあとの自分をひたすら想像して踏ん張る力に変えていました。 風間 僕は苦しいときは弱音を口に出すようにしています。弱音を口に出さない方がいいという考え方もあるし、そこは人それぞれでいいと思うんですけれども、僕はあだち充さんの漫画に出てくる主人公がすごい好きなんですよね。ああいう感じで生きたいなと思っていて。疲れたら「疲れた」ってちゃんと言う。ただ、僕が弱音を口にするときは、大抵大したことないときなんです。「構って~」とか「助けて~」と言ってるうちは大丈夫。本当にしんどいときは黙ります。 広瀬 カッコいい! 風間 そう? 結局、本当に辛いことって簡単に人にシェアできないから。そういうのは黙って粛々と自分と向き合って乗り越えます。