広瀬アリス×風間俊介が考える“信じる”とは?「信じるって思考停止の瞬間があると思う」
風間さんは親戚のお兄ちゃんって感じでした(笑)
――そんなシリアスな作品の中で、千紗と熊の場面は少し肩の力が抜けるようなところがありました。 広瀬 パラリンピックのお仕事で何度かご一緒したりして、普段の風間さんを知っているからこそ、熊さんが風間さんだと聞いて、こんなにすんなり入ってくることってあるんだと思うくらいすんなり入ってきました(笑)。現場でも私のことをすごく心配してくださるんです。その感じが熊さんみたいで、ほっこりしました。 風間 千紗は、本来人が生活をする上で適度に距離をとって誤魔化すことまで正面から受け止めなきゃいけない役。演じる側としては、相当大変だと思うんですよ。だから僕も心配で声をかけたりしたんですけど。広瀬さんのすごいところは、撮影の前後とか、メイク中とか、ずっとみんながこうあってほしい広瀬アリスとしてそこにいるんですね。現場で一言も喋らなくても全然通る役なのに、みんなに声をかけて。すごい人だなと思いながら見てました。 広瀬 私は風間さんとのシーンは、いつも安心感がありました。お芝居のリズムがすごく心地よかったんですよ。 風間 本当に? 俺、今めちゃくちゃ喜んでるんだけど(笑)。 広瀬 北村さんや奥田さんとのシーンでは、あえて気持ちのいい間を崩すことで自分を追い込みたいみたいなところがあって。その分、熊さんとのシーンは心の中の重いものが取れるようなところがありました。 風間 ここがまさしく僕と熊のリンクするところなんですけど、ロマンス力みたいなのが一切ないんです(笑)。 広瀬 すごく話しやすいんですよ。親戚のお兄ちゃんって感じでした(笑)。 風間 熊から言わせれば親戚じゃないんですよ。でもね、親戚なんです(笑)。広瀬さん、僕がすぐそこにいるのに扉が半開きのまま着替えようとしたことがあって。それもまた広瀬アリスの魅力だなとあのときは思っていたんだけど、今、謎が解けた、親戚だったからか(笑)。 広瀬 違和感がないんです(笑)。 風間 ロマンスって違和感からスタートするものだと思うんだけど、その違和感がない。 広瀬 ゼロでした(笑)。 風間 シームレスなの。波風が立たない。喜んじゃダメなんだけれど、でもね、それも俺なんです(笑)。