The Killers、Awichはフジロックで特別演出 TOTALFATはSiMの名曲カバー……夏フェス代打劇が生むドラマ
SiM→TOTALFAT、女王蜂→ケプラ……国内バンド同士の代打も
次に紹介したいのは、『フジロック』裏の7月27日と28日に開催された『OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL(男鹿ナマハゲロックフェスティバル:ONRF)vol.13』(以下、『男鹿フェス』)での代打劇である。昨年、メンバーの体調不良によりcoldrainがキャンセルとなり、代打でSHANKが出演するというアクシデントのあった『男鹿フェス』。今年はMAH(Vo)の体調不良により、2日目に出演予定であったSiMのキャンセルが、出演の前日に急遽発表されたのだ。そして、同時に発表された代打出演者は、まさかのTOTALFATであった。実はすでに初日に同フェスに出演していたTOTALFAT。この代打により2日連続での出演となったわけだ。2日目には初日から一部セットリストを変更し、中でもSiMの代表曲「KiLLiNG ME」をカバーして、無念のキャンセルとなったSiMとそのファンに対して熱い演奏を送ったことはSNSでも話題になった。アクシデントをアクシデントのまま終わらせず、パフォーマンスに昇華させた素晴らしい瞬間である。 さらに『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024』では、アヴちゃん(Vo)の健康上の理由により女王蜂が出演をキャンセルし、代打として2020年結成の若手バンド ケプラが登場した。今年の『フジロック』最終日でもサブヘッドライナーを飾ったずっと真夜中でいいのに。に繋ぐ重要な時間帯の出演となった彼らだが、1stメジャーシングル曲「キセキ」を皮切りに「剣」「ルーシー」などを披露し、キャリア最大級のステージを全うした。 出演アーティストの代打劇は、アクシデントであると同時に観客にとってはサプライズの要素でもある。今年の夏フェスシーズンにおいても代打劇からドラマが生まれ、予定調和ではない感動と驚きをもたらしてきた。予期せぬキャンセルに柔軟かつ素早く対応するフェス運営スタッフや代打出演アーティストに感謝しながら、このような予測不可能な展開も含めて夏フェスを味わい尽くしたい。
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