JR九州、列車の輪軸組み立てで圧力値「目安外」在来線328本・新幹線1本…改ざんなく運行続ける
JR九州は19日、列車の車輪と車軸からなる「輪軸」の組み立て作業で、社内の目安値から外れた圧力をかけていた事例が新幹線で1本、在来線で全体の6%にあたる328本確認されたと発表した。圧力値以外の指標に問題はなく、安全は確保されているとして運行を続けている。データは修正できない仕組みで、改ざんはなかったという。
JR貨物の不正を受け、国土交通省が全国の鉄道事業者などに緊急点検を指示。JR九州によると、新幹線の輪軸全664本を点検した結果、車輪の内側にある大歯車を取り付ける際の圧力値が目安値を0・1%ほど下回った1本が見つかり、16日に取り換えた。
在来線では全5518本のうち、9割ほどの点検を終えた。車輪を取り付ける際の圧力値が目安値を上回ったり、下回ったりしているものがあり、車両約300両分に相当するという。このほか、圧力値のデータを保存し忘れた輪軸が5本あったが、超音波の検査で傷がないことを確認した。
取り付け圧力値が目安値から外れた際の対応を社内で明確に決めていなかったために目安外のデータが見過ごされてきたといい、同社は今後、対処法を定める。