スカイラインの栄光と讃歌【2】多くのファンから今でも愛称で呼ばれるスカイラインたち
シリーズ:スカイラインの栄光と讃歌 1966年夏、プリンス自動車は日産に吸収される形で合併した。が、スカイラインは生き残る。67年7月に登場した3代目C10のキャッチフレーズは「愛のスカイライン」だ。ファンは「ハコスカ」と呼んでいる。9月にL20型直列6気筒SOHCエンジンを積み、4輪独立懸架のサスペンションを採用した2000GTを設定。このボディに高性能なDOHC4バルブのS20型直列6気筒エンジンを搭載したのが2000GT-Rだ。発売直後からレースに挑んで連戦連勝を飾っている。新たな神話を築いたスカイラインは、70年秋にホイールベースを縮めて運動性能を高めた2ドアハードトップを設定。GT-Rも軽量ボディを得て、さらなる速さを手に入れた。 C110の4代目は今につながる丸形テールランプを採用し、「ケンとメリー」と呼ばれたスカイラインだ。73年1月には2代目のGT-Rを追加したが、排ガス規制を理由に短命に終わっている。だが、4代目は排ガス対策やオイルショックなどに見舞われたものの、空前のヒット作として名を刻んだ。 77年夏に「ジャパン」のニックネームを持つ5代目のC210がベールを脱ぐ。エクステリアは変わったが、排ガス対策に追われ、メカニズムの進化は少なかった。トヨタから「名ばかりのGT」呼ばわりされたが、80年春にターボ搭載車を投入して面目を施している。 【画像20枚】丸型テールランプといえばスカイライン! 始まりはC110スカイラインからだった 1969年 PGC10(初代GT-R) スカイライン伝説、GT-R伝説の始まりは1969年。ツーリングカーレースを戦うために生まれたGT-Rは、プロトタイプレーシングカー「R380」の技術やノウハウを活用。搭載する2ℓ直列6気筒のS20型エンジンは、R380用エンジンを市販車用に再設計し、量産車で世界初の4バルブDOHC機構を採用。最高出力160ps/最大トルク18.0㎏-mのスペックを誇った。レースシーンでは49連勝など輝かしい戦績を収めた。 1973年 KPGC110(2代目GT-R) 初代の活躍もあり、大きな期待を背負って登場した2代目GT-Rは、ケンメリGT-Rの愛称で親しまれた。この世代はレースへの参戦は叶わず、排ガス規制の影響もあり、わずか4カ月で市販車の販売が終了。総生産台数は200台にも満たなかったため、現在でも愛好家の間で希少価値が高く評価されている。先にも述べた排ガス規制により、GT-Rの生産は2代目をもって休止されてしまった。 初出:ハチマルヒーロー2017年1月号 vol.39 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部