塚原あゆ子監督、UDI・4機捜メンバーとの絆「会わないうちに“お母さん”に」 新作『ラストマイル』に込めた思いとは
■“アベンジャーズ計画”ことシェアード・ユニバースムービー誕生秘話
――シェアード・ユニバースムービーである本作。『アンナチュラル』『MIU404』の世界とつなげる形にすることは企画立上げの時点で決まっていたのでしょうか? 塚原:映画の企画を通すのはとても難しくて、なかなか通らない。自分たちのカードを魅力的に見せるにはどうしたらいいのかという中で、私たちは「アベンジャーズ計画」って言ってたけど(笑)、『アンナチュラル』『MIU404』のみんなが出たら……と。私もあの頃のみんなの“今”が知りたい派なんです。彼らと一緒に生きているつもりで今も生きてるんで。 ――2作品のキャラクターたちは本作のストーリーにもしっかり絡んでいました。彼らを出演させるまでには困難もあったのではないでしょうか? 塚原:一度に合わせるのがなかなか難しいキャストたちなので、スケジューラーとプロデューサーは「なんだこれー!」って思ってたと思います。『MIU404』と『アンナチュラル』で映画を作りたかったのではなくて、『ラストマイル』という世界、2024年の野木亜紀子の物語を届けたい。野木さんは、落としどころに関してはセンシティブに苦しんだんだろうなと思います。「ちょっと出るくらいなら出ないほうがいい」とずっと前から言っていて。 ――監督もそう思われていましたか? 塚原:どうかなあ……事件が起きれば必ず警察は出てくる。その警察の出だしは絶対に機捜なんです。そして死体が出るシーンがあるなら『アンナチュラル』の出番だろうと思いました。ただ、彼らを出すためのストーリーテリングをしだすのであればやめたほうがいいと思います。彼らの話ではなく、物流の話なので。「『MIU404』『アンナチュラル』の映画を見た」ではまずいんです。「『ラストマイル』を見た」って思ってもらいたいし、かつ、あの頃の仲間が今も生きていることが胸アツで、(見た人に)間に合うんだ、絶望しない毎日を生きてほしい、というのがメッセージとして残ればいいなって。 ■「会わないうちに“お母さん”に」UDI・4機捜との撮影は? ――UDIや4機捜のメンバーとの久しぶりの撮影を振り返ると? 塚原:同窓会みたいな感じでした。「わ~久しぶり~!」からの「じゃあね~!」って感じです。あっという間。 ――『アンナチュラル』石原さとみさんと衣装合わせの時に、久々の再会にお互い泣きながらハグをされたというお話も伺いました。 塚原:会わないうちに“お母さん”になってる(笑)。素敵じゃないですか? ――絆がやっぱり深いんですね。2チームとの撮影はスムーズに進みましたか? 塚原:みんな、キャラクターを思い出すのに時間かかるかな? なんて緊張してたんじゃないですかね。UDIに至ってはセットを完全再現しているので、セットに入って衣装を着て、「わあ~」って言ってるうちに自然に(『アンナチュラル』のキャラクターに)戻っているなって感じでした。 ――『ラストマイル』の中でも皆さん全然違和感がなくて。久しぶりに彼らに会えてうれしかったです! 塚原:私もうれしかったです。「どう? 仕事してたの、あんたたち?」って思いながら見てました。