塚原あゆ子監督、UDI・4機捜メンバーとの絆「会わないうちに“お母さん”に」 新作『ラストマイル』に込めた思いとは
満島ひかりが主演を務め、岡田将生が共演するサスペンス映画『ラストマイル』。ドラマ『アンナチュラル』『MIU404』(どちらもTBS系)と同じ世界線で物語が展開する“シェアード・ユニバースムービー”である本作は、製作決定の一報からファンを歓喜させている。この3作品を生み出したのは、脚本家・野木亜紀子、新井順子プロデューサー、そして監督の塚原あゆ子。今回は塚原監督に、新たに生まれた“3作目”への思いや、シェアード・ユニバースムービーとなった理由、そして『アンナチュラル』『MIU404』のメンバーとの再会を聞いた。 【写真】星野源・綾野剛・石原さとみも! シェアード・ユニバースムービー『ラストマイル』場面写真 不自然死究明研究所=通称UDIラボで、遺体を通しさまざまな「死」と向き合う姿が描かれた『アンナチュラル』、機動捜査隊(通称:機捜)の第4機動捜査隊が社会問題をも内包する事件に立ち向かった『MIU404』。3作目となる『ラストマイル』で描くのは、ブラックフライデーを目前に控える物流業界で起きた爆破事件。多くの人がネット通販や宅配に依存している現代社会に一石を投じる、塚原監督×野木脚本の真骨頂ともいえるストーリーに仕上がっている。 ■野木亜紀子の脚本には毎回「どうしよう」 ――『MIU404』以来となる、脚本家の野木亜紀子さん・新井順子プロデューサーとのお仕事はいかがでしたか? 塚原:(『MIU404』後も)定期的に会っていたので、「久しぶりに3人でやろう」となったわけでもないんです。『ラストマイル』は結構前に撮っていて、企画自体も長く動いていたので、久しぶりというよりは「ずっと一緒にやっている」という感じです。 ――脚本を読まれたときの印象は? 塚原:毎回そうなんですけど、「わあ~……どうしたらいいんでしょう」って感じで(笑)。これだけ物流業界の闇に切り込んでいるくせに、取材しなきゃダメそうな内容になってて「絶対誰も取材受けないだろうな……」って。初めは「これどうやるのかなあ」って他人事に読んで、脚本を閉じた後にいつも「うーん、どうしよう」って思います。 ――本作について、野木さんがエックスで「今回はさすがにいくらなんでも無理だろ! と言われるかなーと思いつつ脚本書いたんですが、やっぱりどうにかして撮ってしまう塚原監督こわい。」とポストしていました。どのシーンのお話なのでしょうか? 塚原:本作に登場する構造の建物が世の中にないのですが、新たに建物を建てるわけにはいかない。では、そう見せるようにするにはどうするか、かつ、限られた予算なので、簡単なロジックでどう見せたらいいのか工夫しました。CGでお金をかけるべきことではなく、ちょっと難しいなと。スタッフと美術打合せで「どうしようかなあ……」って、みんなで頑張ったって感じです。