「暖房器具の上に洗濯物干さないで」 寒く乾燥、千葉県内で火災相次ぐ 火の扱いに注意を
空気が乾燥し、暖房器具を使う機会が増える冬季、県内で火災が続発している。消防署の担当者は「冬は火の扱いにより気を付けてほしい」と呼びかけ、被害軽減につながる火災警報器の重要性も訴えている。 昨年12月の火災発生件数は千葉市内だけで28件。同市内では11月の18件から大幅に増加し、今月に入っても県内各地で住宅や店舗の火災が起きている。 消防は、火災が増える11~3月を「火災期」と呼んでいるという。千葉市消防局予防部予防課の横田あけみ課長補佐(57)は「『火災期』の中でも、寒さが強まって暖房器具がよく使われる12~2月ごろが火災発生のピークになる」と説明する。 同課の野間雄一予防係長(39)は、冬季の主な火災原因の分析から「空気が乾燥していることもあり、暖房器具から出火しやすい。ポイ捨てされたたばこが枯れ草に燃え移ってしまう火災も多い」と指摘した。 火災を防ぐため気を付けるべき点として、2人は「暖房器具を使う際は、上に洗濯物を干さないようにし、火が付いたまま給油しないことを心がけてほしい。また、室内でも出火原因としてたばこの不始末が多い。冬季は普段以上に火の扱いに気を付けて」と呼びかけた。 その上で「火災規模を小さく抑えられた住宅の多くに火災警報器が設置されており、死者が出てしまったケースではほぼ設置がなかった。火災警報器は命を守るための器具。設置し、適切に点検を」と事前の備えの大切さを訴えた。 昨年12月の県内の平均湿度は51%で、おととしの同時期の57%よりも6%低かった。銚子地方気象台は、乾燥の原因として冬型の気圧配置が続き、雨が降らなかったことを挙げている。