退院予定日が「月末」を超えると、医療費に「7万円超」の差が!? 医療費限度額がリセットされるって本当?「年収500万円」の会社員のケースで試算
病気やけがなどで入院することになった場合、医療費がどのくらいかかりそうか気になる人は多いのではないでしょうか。実は、入院期間が短くても月末を超えると、医療費限度額が「リセット」されて費用負担が増えてしまうこともある事をご存じでしょうか。 本記事で、年収からの負担見込み金額を試算してシミュレーションします。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
入院治療の費用を軽くする方法は?
入院費用の費用負担を軽くする方法として、「健康保険の限度額認定証を使う」ことと「高額療養費制度」を利用する選択肢があります。 加入している健康保険(国民健康保険、協会けんぽなど)では、年収と年齢にあわせて医療費負担上限額を設定していて、上限額よりも医療費が高額になったときに超えた部分を健康保険が負担します。 入院する日が事前にわかっている場合には、加入している健康保険へ「限度額適用認定証」を申請して、申請当日から1週間程度で発行される認定証を入院するときに病院の窓口へ提出すると、自己負担額を計算して入院費用が請求されます。 限度額認定証の申請をしていなかった場合は、退院時にかかった医療費を支払い、健康保険へ「高額療養費」を申請すると自己負担上限額から超えた金額を払い戻してくれます(払い戻しには申請から数ヶ月程度かかります)。 自己負担額が適用されるのは保険診療による医療費で、食事代など保険対象外のものは適用されないので注意してください。なお、医療機関によっては、マイナ保険証を利用することで限度額適用認定証がなくても、限度額を超える支払いが免除されます。
入院費用の平均額はどのくらい?
厚生労働省の「医療費の動向」調査によると、令和5年度での全国平均入院日数は28.7日、1日の入院費は全国平均4万2382円で、東京都が唯一5万円台、それ以外の道府県は3万円から4万円台とばらつきがあります。 入院1回あたりの医療費は全国平均約121万円で、3割負担の場合は約40万円を請求されるので、限度額認定証や高額療養費制度を利用して、なるべく自己負担額を減らすと良いでしょう。