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　近年、「頭の回転の速さの象徴」としてお笑い芸人が多くの場面で活躍をしている。そんなあらゆるジャンルで活躍をし続けるお笑い芸人たちをこれまで30年間指導し、NHK『プロフェッショナル　仕事の流儀』でも話題になった伝説のお笑い講師・本多正識氏による『1秒で答えをつくる力』が人気を博している。ナインティナインや中川家、キングコング、かまいたちなど今をときめく芸人たちをこれまで1万人以上指導してきた本多氏の仕事に対する考え方をオリジナル記事としてお届けする。 ●　「メンタルの強い人」と「すぐに落ち込んでしまう人」の違い 　仕事をしていると、「メンタルの強い人」もいれば、「すぐに落ち込んでしまう人」もいます。前者はどんな職場でも実力を発揮できるでしょうが、後者はその逆でしょう。 　そんな両者のあいだにはどんな違いがあるのでしょうか。一緒に見ていきましょう。 　まず、「すぐに落ち込んでしまう人」が悪いのかというと、決してそんなことはありません。「落ち込む」というのはそれだけ一生懸命仕事に取り組んでいるからこそでしょう。 　ただ、それだけ一生懸命仕事をしているのにメンタル面でのダメージが大きくなってしまうのはもったいないと言わざるを得ません。 　こういった人は、自分への期待値が高すぎるのです。「仕事はパーフェクトにこなしたい」「ミスやトラブルはゼロでいきたい」など、完璧主義であるがゆえに、ちょっとしたことで気持ちを崩してしまうのです。 　ですが、仕事をしていてトラブルが起きないなんてことはないでしょう。なかには自分ではどうしようもできないこともあります。 　大事なことは、仕事をやり切ることや丁寧に対応することなのに、すぐに落ち込んでしまう人は「完璧にこなすこと」を目的にしてしまうため、自ら逃げ道を断ってしまうのです。

●　メンタルの強い人の特徴 　対して、メンタルの強い人はすべてを完璧にしようとは考えません。それは手を抜くという意味ではなく、全力を尽くすことだけに専念するということです。 　こういった人は、「仕事を完走すること」を目的にします。ちょっとしたミスがあっても、トラブルが起きても、しっかりと対応をして最後までやりきればOKと考えています。 　さらに言えば、トラブルやミスは必ず起こるものとも考えています。そのため、ちょっとしたことではうろたえず、やるべきことを遂行できるのです。 　私のいるお笑いの世界でも売れる芸人はちいさいことでクヨクヨしません。その理由は、失敗を引きずってしまうと次の仕事に影響が出るからです。 　売れっ子芸人となると1日で番組収録、舞台出演、メディア取材と、膨大な量の仕事をこなします。そんな業務量のなかで、1つの失敗を引きずってしまうと、そのあとの仕事が全部ダメになってしまうのです。 　そのため、売れっ子芸人はちょっとしたミスをしても、「やり切ったからよし」と前向きに考えるのです。 　メンタルは仕事の出来に大きく影響を与えます。どんなに仕事ができる人でもメンタルが弱いと実力は発揮できないですから、ぜひ「完璧を求めない」ことを頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。