中学受験と高校受験、どちらを選んだらいい? 知っておきたい4つの「しくみの違い」とは
いずれにしても、中学3年の2学期まで、教員との面談を通して志望校を固めていくのが通常の流れ。私立高校は1月下旬~2月下旬、公立高校は2月上旬~3月上旬に入試が行われる。 2)偏差値 偏差値は母集団によって変化。中受は高受と比べて低く出る! 受験生や保護者を一喜一憂させる「偏差値」。学力が見える数値として考えられているものの、実はそのしくみは複雑。テストを受けた集団の平均点を「偏差値50」とし、そこを基準に自分の位置を統計学から相対的に把握するもの。中学受験に挑戦する子の母集団は、限られた人数ながら成績上位層の子が多い傾向があるので、この場合の「偏差値50」は、点数で言うとかなり高得点ということになりうる。 3)教育費用 塾の費用は中学受験で約300万円、高校受験で約200万円が目安 中学受験に挑む最大の壁が、準備期間から続く教育費の工面。中学受験塾に3年間通う場合、授業料や教材費、テスト、講習代など、トータルで約300万円の費用がかかる(栄光ゼミナールの例)。そして私立中学であれば、入学後も入学金や年間約100万円以上の教育費が必要に。 一方、高校受験を目指す場合、中1から3年間、塾に通えば200万円ほど。ただ、入塾の時期は中1や中3の夏以降などさまざまで、塾に通わずに受験する子もいる。 4)入試問題 中学入試は難問が多く、高校入試は学校の学習が基本 中学の入試問題は各学校の独自問題で、出題の難易度は高く、公立の小学校では習わない問題がほとんど。独学では難しいため、中学受験専門の塾に通う子が大多数。 一方、公立高校の入試問題は、中学校の学習をもとにした問題が多く、中学での学習を理解していれば、独学で合格を目指すことも可能。ただし、「進学重点校」など、公立校の一部は自校作成の問題を出題しており、志望校によっては独自の対策が必要になる。 (取材・文/玉居子泰子) 〇藤田利通/首都圏を中心に展開する中学受験・高校受験対策の大手進学塾「栄光ゼミナール」の入試情報センター責任者。中学・高校のどちらの入試情報も統括する。
玉居子泰子