インテル、第13~14世代CPUがクラッシュする原因を解明。正体は動作電圧制御の不具合
今年2月ごろから、インテルの第13~14世代CPUを搭載するPCを使用しているゲーマーの間でゲームをプレイ中にシステムがクラッシュする現象が発生することが話題になっていたが、この問題がCPUの内部で動作するマイクロコードに起因することが判明し、修正パッチを8月にリリースするとインテルが発表した。 クラッシュ問題は1年半ほど前から発生していたはずだった インテルのコミュニティサイトに同社従業員のThomas Hannaford氏が報告した内容によれば、返品された第13~14世代CPUはマイクロコードアルゴリズムの処理が適切でなく、誤って動作電圧を上昇させてしまうせいで、動作が不安定になるとのことだ。 原因がわかったため、インテルは現在、問題のあるマイクロコードを修正するパッチを準備しており「完全な検証を行った後、パートナーに対し8月のパッチリリースを予定している」と述べている。 パッチがリリースされれば、PCメーカーやマザーボードベンダーはこれを詳しく検証し、インテルチップセット600および700シリーズを搭載するマザーボードのBIOSアップデートを、おそらく8月中旬ごろに展開するとWccftechは伝えている。 問題のCPUには、製造工程ににおける不完全な耐酸化コーティングのせいで半導体内の回路が酸化するという指摘もあるが、インテルはこの問題は2023年に解決済みでありクラッシュを引き起こす問題とは関係ないとした。 インテル第13~14世代CPUのクラッシュの問題は、1年半ほど前から発生していたはずだが、今年2月21日にX(Twitter)ユーザーのSebastian Castellanosが、これらのCPUが特にUnreal Engine 4 / 5で構築されたゲーム(フォートナイト、レムナント2、ホグワーツ・レガシーなど)で起こりやすく、回避するには動作クロックを下げるなどの対応が必要になると投稿したことがきっかけで、数多くのユーザーに認識された。 また、ゲームプラットフォームのSteamのコミュニティでは、ゲーム中に「レンダリング リソースを割り当てようとしているビデオ メモリが不足している」旨のメッセージが表示されることに対し、これらのCPUの問題であるのではないかとするディスカッションが行われ、同様の報告はRedditなどにも見られた。 最近でも、インディーズゲームスタジオのAlderon Gamesが、マルチプレイヤー恐竜サバイバル ゲーム『Path of Titans』の開発において、これらのCPUの問題が専用ゲームサーバーのクラッシュを招き、開発作業においても頻繁に作業の中断が発生するばかりでなく、度重なるクラッシュのせいでSSDおよびメモリーの破損まで引き起こしているとした。Alderon Gamesはあまりの不具合の頻度に、ゲームのオンラインサーバーをAMD製CPUのものにリプレースするとともに、問題のインテルCPUを使ってこのゲームをプレイするユーザーに警告画面をポップアップ表示すると発表した。 Source: Intel via: Engadget, Wccftech coverage: Steam, Alderon Games
Munenori Taniguchi