八代亜紀さん一周忌 東京・品川に銅像建立 除幕式に110人「演歌の女王」しのぶ
昨年12月30日に73歳で亡くなった八代市出身の歌手八代亜紀さんの一周忌に合わせ、大ヒット曲「雨の慕情」を歌う姿の銅像が東京都品川区の安養院に建立された。19日にあった除幕式には約110人が参列し、在りし日の「演歌の女王」をしのんだ。 熊本の文化・芸能
安養院には両親の墓があり、八代さんも眠る。生前の八代さんから、何らかのモニュメントを建てたいと相談を受けていた同院と所属事務所が検討。マイクを手にしたドレス姿の銅像を境内に設けた。 除幕式では、八代さんの出世作「なみだ恋」や遺作の「想い出通り」を作詞した悠木圭子さん(88)=東京都=らが「亜紀ちゃんはたくさんの愛をくれた。素晴らしい像ができてうれしい」とあいさつ。1980年の日本レコード大賞を受賞した「雨の慕情」が流れると、「雨々ふれふれ もっとふれ」の歌詞に合わせ、左の手のひらを上に向けた印象的なポーズの像が現れた。傍らには八代さん自作の詩「遠まわりでも つまずきながらでも ひとすじに生きる それがすばらしき人生」を彫り込んだ石碑が神奈川・箱根のアトリエから移設された。 銅像は等身大で高さ160センチ。画家でもあった八代さんが師事した市川元晴さんを通じて依頼を受けた日展特別会員の彫刻家堤直美さん(74)=静岡県長泉町=が制作した。「八代さんは誰とでも分け隔てなく接した。ステージでの化粧した顔でなく、その優しさがにじむ愛に満ちた素顔を表現した」と堤さん。見学は自由で、「ブロンズになった八代さんを触ってあげてほしい」と話した。(小多崇)