「すべてが教科書になる」元世界王者が舌を巻く井上尚弥 PFP1位も必然の凄み「ボクシングのあるべき姿だ」
いまや「世界最強」とも論じられる日本人戦士の強さは伊達じゃない。それは“ボクシングの本場”アメリカの識者も認めるところだ。 【動画】悪童ネリに逆襲の右ストレート！井上尚弥がドームを熱狂させた貫禄のTKOの瞬間 米専門メディア『Pro Box TV』の公式YouTubeチャンネルに出演したWBO世界スーパーライト級王者のクリス・アルジェリ氏は、世界スーパーバンタム級4団体統一王者に君臨する井上尚弥（大橋）について言及。「彼はすべてを持っている」と絶賛した。 必然の評価と言えよう。来る5月6日に東京ドームで元世界2階級制覇王者のルイス・ネリ（メキシコ）との防衛戦を6回TKOで制した井上は、約3日後に米老舗専門誌『The Ring』の厳選する階級を超えた格付けランク「パウンド・フォー・パウンド（PFP）」で1位に浮上。文字通り敵なしの強さをあらためて認知されていた。 現役時代に“偉才”マニー・パッキャオ（フィリピン）と拳を交わした実績を持つアルジェリ氏は、軽量級で異彩を放つ井上の現況について「この男は何でもできると思うんだ」と問われ、こう切り返している。 「間違いなく同感だ。イノウエの場合は基礎がすべて。そして彼の基礎は根底からトップまで機能する。彼はすべてを完璧にこなす。素晴らしいハンドポジションで、爆発的で、優れた技術を持っている。この男に関しては、すべてが教科書になる」 どれだけ成果を高めようと、基礎となるジャブなどの動きを重視してきた。そんな井上の姿勢を高評価したアルジェリ氏は、「いつも言っているけど、彼の父は素晴らしいトレーナーだ」と真吾トレーナーの手腕にもクローズアップ。そのうえで、ふたたび“怪物”の底知れぬポテンシャルを称えた。 「イノウエには速い足の動きがあるし、爆発的なパンチ力もある。それだけじゃなくて、スピードを本当にうまく変えるし、アングルも変えたり、ダイナミックだ。彼はすべてをうまくやっている。彼の戦いを見るたびに、これがボクシングのあるべき姿だって思うんだ。 加えて、彼は負けん気が強い。ダメージを与えて、男たちを排除しようとしている。ノックアウトできるパンチャーだし、素晴らしいジャブ、ライトハンド、アッパーカットもある。そしてボディーまでも、ね。文字通りボクサーとして、そしてPFPの男にとって、イノウエは見たいものをすべて表現している。彼はすべてを持っているんだ」 熱弁を振るって、井上への賛辞を並べたアルジェリ氏。その言葉が「怪物」と恐れられる偉才の凄みを物語っている。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]
