ミニカーの自販機かと思ったら実車かよ! フェラーリもランボも買えるスーパーカー自販機が存在した!!
スーパーカーも自動販売機で購入する時代到来!?
人件費の高騰が理由なのか、国内では自販機がめっちゃ増えている気がします。外国人にいわせれば「日本は治安がいいから自販機を設置できる。わが国だったら設置した翌日には機械ごと盗まれているはず」てな理由もあるようです。そんな自販機ですが、飲み物やタバコ、変わったところではラーメンやハンバーガーを供してくれるものなどが有名かと。しかしながら、スーパーカーの自販機となると、さすがに耳を疑いたくなります。 【画像】ガレージ一面に真っ白なポルシェが保管されている画像などを見る 近年、シンガポールは産油国に次ぐリッチで平和な国として世界中のビリオネアが移住していることご承知のとおり。平均気温26~29度と、ちょっと暑いのさえ我慢できれば暮らし向きも快適だそう。市街地を走るF1グランプリだって開催されていますしね。 そんなシンガポールにできたのがスーパーカーの自販機! いくらなんでも無理だろうと思うのもごもっとも。ですが、そびえたつ15階建ての自販機ビルを見れば「あ、こういうことね」と納得できるのかと。スケールこそ違うものの、あたかもスナック菓子の販売機かのように、ランボルギーニや911がガラス越しに展示され、お金を入れたらリフトがグルグルまわって地上出口にクルマがポンっと出てきてもおかしくない様子。 こちらは地元で長年ディーラーを営んできたアウトバーンモータースが2017年に建てたもので、社長によれば、子どものころに父親に連れて行ってもらったショールームが忘れられず、そんなワクワク感やクルマへの愛を「自販機」というスタイルで表現したのだとか。 わかるようなわからないような理屈ですが、実際には見物客も含めて集客数は激増し、売り上げも30%アップしたとのこと。とにかく、自販機ごと盗まれるような悲劇は起こらなかったわけですね。 さて、スーパーカー自販機の仕組みをご説明しますと、まずお客さんはビルのなかでタッチスクリーンからほしいクルマ、興味があるクルマを選びます。すると、画面には該当するクルマとリフトが作動するムービーが映し出されます。実際のカメラ映像ではなく、クルマだけ差し替えた共通ムービーで、巧みな演出といえるでしょう。で、最上階にあるクルマでも2分以内には目の前のショールームに到着するとのことで、ちょうど自販機で天ぷらうどんでも注文する感覚でしょうか。 むろん、現れたクルマの商談はここからスタートするわけですから厳密には自販機とは呼べないかもしれません。が、大陸の方々は細かいこと気にせず大喜びでクルマを選ぶのだそう。 また、アウトバーンモーターは駐車場問題がシビアなシンガポール国内をはじめ、在庫管理に苦労している中国の大手ディーラーにも「自販機」をソリューションとして売り込むことを企図しているとのこと。なるほど、そのショーケースとしては文句なしの出来栄えに違いありません。 もっとも、このギミックに飽きられてしまったらどうするのでしょうね。タバコやジュースの自販機なら、機械ごと交換すればいいのでしょうが、まさかスーパーカーの次は高級ヨットというわけにもいかないはず。ま、世界のビリオネアがわんさかいる国ですから、次は「プール付き邸宅」とか「プライベートジェット」あたりの自販機が現れるのかもしれませんね(笑)。
石橋 寛